こまめな紫外線対策と念入りなスキンケアで、顔のしみ対策はぬかりなし!そんな人でも、意外と見過ごしがちな体のしみ。それだけに、ふと見つけてしまったときのショックはかなり大きいですよね。今回は中国の伝統医学(中医学)の観点から「ボディしみ」を作らせない体質改善の方法や予防策を、漢方薬剤師の猪子英恵さんにうかがいました!
- Profile
- 猪子 英恵さん
- > ウィメンズ漢方
薬剤師・国際中医専門員。株式会社ウィメンズ漢方所属。首都圏を中心に、婦人科・不妊治療クリニックの漢方外来を担当、多くの女性の体質改善サポートにあたっている。
ボディしみが
できる原因
しみに紫外線が大敵なのは言うまでもありませんが、顔に比べて紫外線にさらされていない体のしみは、体内の状態が影響しているケースが少なくありません。体の外側、内側の両面から、原因を探っていきましょう。
気づきにくい
「うっかり日やけ」がしみに!
日やけ対策をしていても、自分から見えない部分は無防備になりがち。薄着の季節、体の後ろ側は思った以上に紫外線にさらされています。
特に見落としやすい首の後ろ、背中、肩、二の腕などは要注意。また、顔と同じくらい紫外線を浴びている手の甲も、日やけによるしみができやすい場所です。
ボディしみのできやすい体質
中医学では大別して7つの体質があり、その中で「瘀血(おけつ)」と「気滞(きたい)」の状態にあると、しみができやすいと考えられています。
◎瘀血
血流が滞った状態
◎気滞
気の巡りが悪く、ストレス過多の状態
この2つと深い関わりがあるのが、五臓(肝・心・脾・肺・腎)の「肝」。血液に栄養を与えて流れをコントロールする役割や、自律神経の調整を担っていて、この「肝」の働きが弱まった時に、瘀血や気滞に傾きやすくなります。女性は7の倍数の年齢で体に変化が訪れるとされていて、加齢や出産、ストレスなどをきっかけに症状が出てくることが多いようです。
あなたはどう?
しみ体質のセルフチェック
瘀血タイプ
- 顔色がくすんでいる
- いつも同じ箇所に
肩こりや頭痛がある - あざができやすい
- しみやホクロが増えた
- 生理痛がある、生理3日目くらいから急に出血量が増える、経血にレバー状のかたまりがある、経血の色が暗い
気滞タイプ
- イライラ、クヨクヨしやすい
- 生理前に胸が張りやすい
- のどがつかえる感覚がある
- 寝つきが悪い
- 下着がきついと感じることがある
ボディしみを
徹底予防!
体のしみは思った以上に年齢を感じさせてしまうもの。紫外線対策と体質改善の二段構えで、徹底的に予防しましょう!
日やけ止め
うなじから背中、サンダルを履いたときの足の甲など塗り残しやすい部分まで、しっかり塗りましょう。汗をかくと流れてムラになるので、必ず塗り直しを。手を洗う機会が格段に増えた今は、手の甲のこまめな塗り直しもお忘れなく。
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小物やUVカット加工の衣服
つばの広い帽子やアームカバーで、物理的に紫外線から肌を守るのも有効な予防策です。UVカット加工が施されたカーディガンやシャツを選んだり、紫外線吸収剤を繊維に付着させるUVカット洗剤を利用しても◎。
しみ体質を改善させる
しみができやすい瘀血、気滞タイプは、生活習慣や食生活で改善も可能です。
瘀血タイプ
- ・ジャンクフードなど塩分・糖質が多い食べ物を控え、野菜やミネラルを摂る。
- ・熱が上半身に集まり、下半身は冷えていることが多いため、ぬるめのお風呂にゆっくり浸かって血流をうながす。
- ・ウォーキングやストレッチ、ヨガなどの有酸素運動を毎日の習慣にする。
- ・冷たい飲み物を避ける。
◎積極的に摂りたい食材
小豆、黒豆、納豆、サトイモ、ナス、トマト、タマネギ、ベリー類、イカ、カニ、青魚(イワシ、アジ、サバなど)、シソ、ネギ、ニラ、ニンニク、ショウガ、ラッキョウ、酢、体を温める香辛料
気滞タイプ
- ・ウォーキングやストレッチ、ヨガなどの有酸素運動をなるべく取り入れる。
- ・頑張りすぎない、思い切り笑う。
- ・深呼吸をする。
- ・心地よい香り(アロマ等)でリラックスする。
◎積極的に摂りたい食材
セロリ、春菊、セリなど香りのある野菜、酸味のある柑橘類
体質改善は顔しみにも効果的!
体の内側を改善することによって、ボディだけでなく、当然顔もしみのできにくい肌状態に整っていきます。気血の巡りをよくし、肌のターンオーバーを正常にすることが、透明感のある美しい肌への近道です。
できちゃった
ボディしみの改善策
できてしまったボディしみをなんとかしたい!こんな肌のお悩み改善は、実は中医学が得意とするところ。瘀血・気滞のサインを見逃さず早めに対処することが、重要なポイントです。
巡り力アップ食材で代謝促進
活血(血を流す)作用のある甘酒や、気の巡りをよくするジャスミン茶を意識的に摂って、しみの代謝を促すのも効果的です。
特に、細かい血管にまで血液を流してくれる働きを持つシナモン(桂枝)パウダーはおすすめです。紅茶に入れたり、料理に加えたりして積極的に活用しましょう。
保湿
ターンオーバーの乱れを整えるには、肌のうるおいもとても重要。ローションやクリームでたっぷり保湿しましょう。
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体質にあった漢方薬を
処方してもらう
できてしまったしみに対しても、体質改善によるアプローチは有効です。より早く効果を実感したいなら漢方薬がおすすめ。専門家のカウンセリングを受け、自身の体の状態に合った漢方薬を処方してもらうとよいでしょう。
猪子さんからのメッセージ
中医学では「皮膚は内臓の鏡」という言葉があります。しみは肌表面のできごとですが、体の中で起こっている不調のサインともいえます。
一見お肌と関係のない不調も、根っこではつながっているのです。お肌をきっかけに体調にも目を向け、不調をあたりまえとせず、ご自身をいたわってあげてください。
中からのケア、養生を行うことで、お肌も体もイキイキしていきますよ。