以前より痩せづらくなった気がする、お腹や太もものダブつきが気になる…ひょっとすると、股関節のゆがみが原因かもしれません。体を真ん中で支えている股関節は、ボディラインはもちろん、内臓の働きにも影響をおよぼす大切な場所。今回は美容家の南雅子さんに、股関節のゆがみを改善するメソッドを教えていただきました!
- Profile
- 南 雅子さん
- > GAIA
整体エステ「ガイア」主宰。エステティシャンとして活躍後、カイロプラクティック・整体師の資格を取得。オリジナルの「姿勢矯正」や「ストレッチ」など健康で機能的な体づくりのための施術・指導のほか、整体エステ協会を設立し、プロ育成も手掛ける。著書に『体は骨格から変わる!股関節1分ダイエット』(青春出版社)など多数。
ゆがみ股関節が生む
デメリット
足を組む、ひじをつく、どちらかの足に重心をかけて立つ…。ゆがみ股関節の多くは、生活習慣や無意識にやっているクセの蓄積によって起こります。股関節がゆがむことによって全身の筋肉や骨がずれ、骨と骨をつなぐ関節もずれる悪循環に。不調の多い、太りやすい体になってしまいます。
姿勢が悪くなり筋力も低下
股関節がゆがむと骨盤が横に広がり、背骨を立たせる関節がゆるんで姿勢が悪くなります。肩や首が前に出て筋肉が下に落ち、筋力も衰えがちに。それにともなって関節の間が詰まり、首が短く見えたり、リンパの流れも滞りやすくなります。
常に不調を抱えやすい体に
前に突き出た首や猫背の姿勢は肺を圧迫して内臓の下垂を招き、上半身だけでなく、腸や卵巣、子宮など下半身の働きも悪くなってしまいます。また、股関節の左右の高さや位置がずれると、背骨に曲がりやねじれが生じ、血行や代謝が悪くなって、疲れやすく常にだるさが取れない体に。
太りやすい体質に
内臓の働きが悪くなることによって臓器のまわりに脂肪が蓄積され、お腹まわりを中心に余分な肉がつきやすくなります。また、股関節がゆがむことによってひざの位置が変わり、O脚やX脚など脚の曲がりも引き起こします。脚が曲がると、太ももは前に、ふくらはぎは逆に後ろに張り出し、太く見えてしまいます。
股関節ってどこ?
骨盤と大腿骨(だいたいこつ)の連結部分にある関節で、大腿骨上部にある骨頭(こっとう)が、骨盤の寛骨臼(かんこつきゅう)にはまりこむ形になっていることから「球関節」とも呼ばれています。「歩く」「走る」「飛ぶ」「座る」といったさまざまな動きを可能にしているだけでなく、骨盤をはじめ背骨や頭蓋骨を支える、重要な役割を果たしています。
股関節の
ゆがみ度チェック
まずはセルフチェックで、ゆがみ度を見ていきましょう。当てはまる項目が多い方は、要注意!少なかった方も、ゆがみが悪化しないように心がけてくださいね。
チェックリスト
- ジーンズを履くと脚の付け根の横ハリが気になる
- 脚を正面から見るとひざが中央に寄っている
- 太ももやふくらはぎ、足首が太く、むくんでいる
- 冷え性で足先が冷たい
- ウオノメやタコ、外反母趾など足にトラブルがある
- 片足立ちができない
- 靴底の減り方が左右で違う
- 以前より肩や背中に肉がつき、首が太く短く見える
- 顔のパーツ(目、鼻、口)が左右対称でない
- 寝ても疲れがとれない
0~3個の方
今のところ大きな心配はなし!ですが、関節は加齢とともに硬くなり衰えていくもの。今後も引き続き、股関節がゆがまないような生活習慣を心がけましょう。
4~6個の方
要注意です。日頃の生活習慣や体のクセを見直しましょう。全身をよく観察し、以前と変わったところがないかを知ることも股関節を整える手がかりになります。
7個以上の方
股関節がゆがみ、体に何かしらの問題が生じている可能性があります。ゆがみの原因を探り、生活習慣の見直しとゆがみ解消エクササイズで改善しましょう。
普段の生活から予防!
ゆがませない3つの習慣
- ① 長時間パソコン画面を見る方は、画面が目の高さにくるよう、パソコンの位置と机の高さを調整してください。さらに20分おきに遠くを見て、呼吸が浅くなっていないかチェックしましょう。
- ② 座りっぱなしが続く時は、トイレやお茶休憩など、90分ごとに立ち上がり、体を縦に引き上げる習慣づけを。また、無意識のうちに片方のお尻に重心を預けがちになるので、坐骨の下に丸めたタオルを敷いたり、座布団の硬さを調整して負荷が偏らない工夫が◎。
- ③ 朝、昼、晩の1日3回、全身を鏡に映してボディラインをチェック。「ゆがませない」意識付けを!
ゆがみ解消♪
股関節ストレッチ
股関節のゆがみを整えるには、毎日のストレッチが効果的です。これから紹介するのは、無理なく続けられる「コロンコロンエクササイズ」!テレビを見ながら、あるいは寝る前のひと時の習慣にすれば、だんだん股関節がやわらかくほぐれてくるのが感じられるはずです。
①両足の裏を合わせて座り、
手はひざの上に置く
両足の裏を合わせ、手前に引きながら背筋を伸ばして座ります。手のひらを上に向け、中指の第一関節の上に親指の先がくるように添えて「キツネ手」をつくり(他の指3本はまっすぐ伸ばす)、ひざの上に置きます。
②よい姿勢のまま、
左斜め前方に体を倒す
みぞおち(上腹部)を左斜め前に出すようにしながら上体を倒します。左ふくらはぎの外側が床についたら体を元に戻し、首を伸ばして下から上に向けて息を吐きます。
③右斜め前方に体を倒す
同様に右斜め前に上体を倒し、右ふくらはぎの外側が床についたら体を元に戻して、首を伸ばして息を吐きます。①〜③を1セットとして、10回ほど繰り返しましょう。慣れてきたら、左右に体を倒した時に手の甲でひざを押し、ひざが床につけられるようになりましょう。
◎ストレッチのポイント
- ・1日何セットでもOK。特に、血行が促進され、関節がほぐれやすくなっているお風呂上がりがオススメです。
- ・腰を使って体を倒そうとすると痛める原因になるので、お腹を引き胸を上げた姿勢でおこないましょう。
南さんからの
メッセージ
ゆがみのない体を取り戻すには、股関節のゆがみを把握し、普段の生活からゆがみの原因を意識しておくことが大切です。肩が上がっているか?骨盤の横が張っているか?などを鏡でよく観察してみてください。エクササイズを続けるうちに改善され、股関節のゆがみが整っていくのを実感できるはずです。結果が見えるとボディラインもメキメキと変わり、ホルモンの分泌もよくなりますので、続けてみてくださいね。