テレワークなど自宅で過ごす時間が増えた今、以前よりなんだか調子が悪いと感じることはありませんか?その理由は「座り姿勢の悪さ」にあるかもしれません。正しい座り姿勢を習慣づけて、健康的な姿勢美人を目指しましょう!
今回は、チームメディカルクリニック理事長の小橋大恵先生に、正しい座り姿勢を保つポイントを教えていただきました。
- Profile
- 小橋 大恵先生
- > チームメディカルクリニック
整形外科専門医。全国の救急病院でキャリアを積み、チームメディカルクリニックをオープン。「医療を非日常ではなく、ライフスタイルのひとつに」を理念に、スマホの長時間使用などによる現代的な肩・首の不調に対する診療、アドバイスも行っている。
座り方が悪いと
起こるトラブル
ノートパソコンにかがみこんで作業する、うつむいたままスマホを操作する…ついやりがちなこうした座り姿勢は、健康面はもちろん、美容面でも大きなダメージを招きかねません。
肩こり・頭痛
猫背の姿勢でいると首や肩に大きな負担がかかります。また、長時間同じ姿勢をとり続けることで筋肉が硬直し、血流が悪くなって肩こりや痛みが生じます。悪化すると頭痛、吐き気が表れることもあります。
ストレートネック
スマホの画面をのぞき込むような下向きの姿勢を続けていると起こりやすいストレートネックは、頭を支える頚椎(けいつい)のカーブが失われた状態。首まわりの痛みだけでなく、首のたるみやシワを生じさせる原因にもなります。
腰痛
腰痛の原因も、悪い姿勢にあるケースが少なくありません。もともと腰椎は反っていますが、猫背でいると配列のバランスが乱れ、腰に負担がかかり痛みを引き起こします。
足のむくみ・冷え
長時間のデスクワークで同じ座り姿勢を続けていると、重力で足の血流やリンパの流れが停滞し、むくみや冷えを引き起こします。血流を促そうとして無意識のうちに足を組み、さらに姿勢が崩れてしまうことも。
太りやすくなる
正しい姿勢であれば、腹筋と背筋がほどよく緊張した状態にあるはずです。猫背になると筋肉がゆるんで基礎代謝が落ち、カロリーも消費されないので、お腹周りの余分な脂肪、いわゆる「浮き輪肉」がつきやすくなります。
美しい座り方の
3大ポイント
意識していないとつい崩れがちな座り姿勢。押さえておきたい座り方のポイントをご紹介します。
① 目線を上げる
パソコンやスマホの画面が低い位置にあると、どうしても猫背になりがちです。といって高すぎてもNG。目線より少し下にくるよう、画面の高さを設定しましょう。
② あごを引く
首が前に出ているとあごが上がり、背中も丸まって猫背になります。上体を起こし、あごを引きましょう。首を支える筋肉にかかる過度な負担が軽減され、背筋が伸びるのを感じられるはずです。
③ 肩甲骨を引き寄せ、まっすぐ座る
長時間デスクワークをしていると、だんだん肩が内側に入って背中が丸まってきます。肩甲骨を後ろに引き寄せるようにして、骨盤を立て、まっすぐ座る意識をしてみてください。
姿勢を保つ
座面の高さ
おうちの中であっても、長時間座って作業をするなら適正な高さのイスや机を選ぶのが鉄則です。仕事中や作業中に良い姿勢を意識し続けるのは大変ですが、自分に合った高さなら、自然に背筋が伸びて姿勢を維持しやすくなります。
座面の高さ
座ったときに足の裏全体が床に着地し、ひざが90度になる高さに調整します。つま先しか床についていない状態だと、安定せず足を組む原因にもなるので、足元に台やフットレストを置いて、しっかり着地させるようにしてください。
机の高さ
机に手を置いたとき、ひじを90度に保てる高さにします。
リラックスタイムに!
床やソファでの座り方point
リラックスしたい時やテレビを見る時、パソコン作業時の休憩タイムなど、床やソファで過ごす方も多いはず!快適にするためのポイントを紹介します。
床・座椅子・座布団
デスクワークで固まってきた筋肉をほぐしたい時などに、リラックスした状態で座ると良いでしょう。背中が丸まらないようにしていれば、足は伸ばしていてもあぐらでもかまいません。正座は膝に負担がかかるので長時間はNGです。
硬い場所に同じ姿勢で長く座っていると、座骨部や腰に痛みがでることがあります。時々上半身をひねったり、立ち上がったりして体勢を変えましょう。寝ころびながらパソコンを操作したり、あぐらをかいてうつむいたままスマホを触るのは避けてください。
ソファ
体が沈み込むようなやわらかいソファには包まれるような安心感があり、跳ね返りを感じるほど硬めのソファには安定感があります。長時間座るなら、体をしっかり支えてくれる硬めソファの方が疲れにくいのですが、ソファはリラックスするためのものですから、好みの座り心地で選んでOK。頭の重みを預け、楽になる姿勢でゆったりもたれかかると良いでしょう。ただ、ソファで寝てしまったり、長時間にわたるパソコン作業は、肩こりや腰痛の原因になるのでおすすめしません。
小橋先生からの
メッセージ
仕事などで長時間座っているとどうしても筋肉が緊張するので、1時間に5分~10分、立ったり簡単な体操を習慣づけるといいですね。
床で足を伸ばしてストレッチやマッサージ、肩甲骨を後ろに引く動きなどをしてみてください。筋肉の緊張をほぐすことで血行が良くなり、酸素や栄養が行き渡り、老廃物が流れます。
座っている間も足首を回したり、肩を上下に動かしたりすると、痛みを予防できると思います。姿勢の維持に加えて意識してみてくださいね。