「スマホ猫背」なんて言葉があるほど、現代病のひとつとも言える「猫背」。姿勢が悪いと周りにいい印象を持たれづらいうえ、肩こりなどの不調や冷えの原因にもつながるなど、デメリットがたくさん。そこで今回は、猫背改善専門スタジオ「きゃっとばっく」マネージャーの古城奈々絵さんに、猫背改善のための生活習慣をはじめ、1日5分でできるストレッチ法などを教えていただきました。
- Profile
- 古城奈々絵さん
- > 猫背改善専門スタジオ「きゃっとばっく」
猫背改善専門スタジオ「きゃっとばっく」マネジャー。トレーナー養成専門学校在学中よりスポーツの現場でフィジカル・リハビリトレーニングを行う。卒業後は整骨院やフィットネスクラブに勤務し、アスリートから高齢者まで幅広い世代へのボディケアを実践、PHIピラティスを学ぶ。2014年より「きゃっとばっく」に参画、マネージャーとして多くの人の猫背を改善している。
猫背の原因と
デメリット
一般的な「猫背」は背中が丸くなっている姿勢。しかし現代人の猫背では、骨盤が前に過剰に傾いて腰が反り、本来カーブを描いている胸の背骨の部分がまっすぐになり、首と胸の背骨の境目の部分だけが過剰に丸まってしまっていることが多く見られます。頭と肩が前方に出てしまうのは一般的な猫背と同じですが、実は背中は反っている状態なのです。まずは、猫背の原因とデメリットについて理解しておきましょう。
猫背の原因
原因①
脳&ライフスタイルの変化
姿勢は、脳など神経系の働きによってコントロールされています。脳は、皮膚や筋肉などの「感覚器」というセンサーから情報を得て、必要な姿勢をとるよう体に指令を送ります。しかし、現代人は体を動かさなくなったことでセンサーの働きが鈍っています。さらに日頃のストレスから脳の血流や機能も低下してしまっているため、脳とセンサー、両方の働きが悪化し猫背の原因となっているのです。
原因②
緊張
姿勢は、脳など神経系の働きによってコントロールされています。脳は、皮膚や筋肉などの「感覚器」というセンサーから情報を得て、必要な姿勢をとるよう体に指令を送ります。しかし、現代人は体を動かさなくなったことでセンサーの働きが鈍っています。さらに日頃のストレスから脳の血流や機能も低下してしまっているため、脳とセンサー、両方の働きが悪化し猫背の原因となっているのです。
猫背のデメリット
デメリット①
首・肩のコリ
頭はスイカ1個分(5~6kg)の重さがあります。頭の位置が5cm前に出てしまうだけで、首には2倍の負担がかかり、首や肩まわりの筋肉のコリにつながります。
デメリット②
免疫力の低下
猫背の原因である緊張状態では、消毒殺菌作用のある唾液の分泌が減少してしまいます。さらに、頭が前に出た猫背の姿勢は、口が開いてしまい口呼吸になりやすいのが特徴です。そのため口の中が渇いて雑菌が繁殖し、免疫力の低下や歯周病に繋がります。
デメリット③
腸内環境や睡眠への影響も
体が緊張して猫背になると、胃酸の分泌も減ってしまうため、消化吸収がうまくできず腸内環境悪化の原因になることも。また、緊張は安眠を妨げるため、「寝つきが悪い」「夜中に起きる」などの睡眠障害を引き起こすこともあります。
猫背改善
ポイント・習慣
猫背の原因とデメリットを知ったら、すぐにでも猫背を改善したくなったはず。次は、日常生活の中で猫背になりやすいポイントと、誰にでも取り入れられる猫背改善習慣をご紹介します。
スマホを見る時
画面を見ようとすると、どうしても頭が前に出て猫背になりがちです。どんな姿勢でスマホを見るべきかよりも、スマホの長時間使用を控えてみてください。使用する時は、できるだけ画面を顔の高さまで上げましょう。
座っている時
デスクワークなどで長時間同じ姿勢でいると、筋肉の長さやバランスが変わってしまい、正しい姿勢が保ちにくくなります。1時間に1回は立ち上がって姿勢をリセットし、気分もリフレッシュしましょう。
寝ている時
睡眠中に気をつけたいのは口呼吸。口の中が乾くと雑菌が繁殖して炎症反応が起こり、体が緊張して猫背になりやすくなってしまいます。口呼吸を予防したい方はマウステープがおすすめです。
猫背改善
5分間ストレッチ
猫背を予防・改善する生活習慣に加えて、毎日わずか5分間のストレッチを行って美しい姿勢を目指しましょう!
ストレッチ法①
フォースタンスストレッチ
背中全体の筋肉をストレッチします。
- ① 肩の真下に両手、股関節の真下に両ひざをつき、骨盤から頭までがまっすぐな「よつんばい」の姿勢になります。目線は下に、ひざの間はこぶしひとつ分あけておきましょう。
- ② ①の姿勢から、右手を左手の前につきます。
- ③ 背中を丸めながら、お尻をかかとに近づけます。左ひじが床についたところで、呼吸を3回行います。さらに一度②の姿勢に戻り、3回繰り返しましょう。
- ④ ①の姿勢に戻り、反対側も同様に行います。
ストレッチ法②
ベリーリフト
骨盤から背骨、肋骨を正しい位置に戻します。
- ① 肩の真下に両手、股関節の真下に両ひざをつき、骨盤から頭までがまっすぐな「よつんばい」の姿勢になります。目線は下に、ひざの間はこぶしひとつ分あけておきましょう。
- ② 背中を天井に近づけるようにして丸めます。背中を丸めた状態で呼吸を5回繰り返します。
- ③ 一度①の姿勢に戻り、3回繰り返しましょう。
古城さんからの
メッセージ
猫背でいると、周りからの印象はもちろん、自分自身の気持ちまで暗くなってしまいませんか?姿勢と心には大きなつながりがあります。美しい姿勢でいると、それだけで自信があふれてくるものです。猫背を改善することで、自分も他人ももっと好きになりたい。「I am OK, you are OK(私もあなたもステキだよね)」と言い合えるような人たちが増えることを祈っています。