新しい靴を履くのは楽しみ♪でも、気になるのが靴ずれ。イベントの多い春は、履きなれないパンプスで出かけることも多いのでは?そこで今回は、シューフィッターの澤田かおるさんに、靴ずれしない靴の選び方、靴ずれの予防法や対処法などを教えていただきました。
- Profile
- 澤田かおるさん
- > シューフィッター養成認定機関 FHA 足と靴と健康協議会
「足と靴と健康協議会」の上級シューフィッター(バチュラー)。百貨店の婦人靴専門店で20年以上勤務。幼児・子供靴からシニア靴までアドバイスを行い、ご主人もシューフィッター資格保有者。同協会が実施する養成講座(プライマリーコース)の実技指導員も務める。
靴ずれの原因をチェック!
新しい靴を履いたときに、気になるのが靴ずれ。馴染めば大丈夫…と思っていたのに、いつまでも足に合わないことも。どうして靴ずれが起きてしまうのでしょうか?
靴ずれの原因は
「靴の選び方」と「歩き方」だった!
「靴の選び方」と「歩き方」が正しくないと、靴ずれの原因になってしまうだけではなく、足の様々な疾患や体調不良を引き起こすことも。正しい靴の選び方と歩き方を確認して、靴ずれ知らずを目指しましょう。
靴の選び方
靴が柔軟に足にフィットしますか?
足指の付け根部分の最も曲がる場所と、靴の曲がる位置が合っていると、靴の中で足が動きにくくなり、靴ずれの原因となる「ずれ」が少なくなります。かかとから足が曲がる部分までのアーチがフィットする靴を選びましょう。
足の指がある程度
自由に動いていますか?
靴の中ですべての足指が動くのが理想的。また、親指がしっかりと地面を押し出せるよう、つま先に最低1cm以上の余裕があって、甲とかかとでしっかり支えてくれる靴がベストです。ストラップ付きだと安定感も増します。
靴と足のかかとの
カーブが合っていますか?
かかとと靴のカーブが合わないと、靴のかかとの上部が足に刺さり、靴ずれの原因になります。また、かかと部分に隙間が空いていると、足が動く時の摩擦で靴ずれが起こりやすくなります。
外くるぶしが
靴に触れていませんか?
立った時に外くるぶしが靴に触れていると、歩行時に体重が乗り、刺さるように痛くなります。くるぶしと靴の間には、立った状態で3mm以上のゆとりが必要です。
歩き方
かかとから着地していますか?
かかとの中心のやや外側から接地し、足裏を通り、親指でしっかり蹴り出しましょう。
- !
- かかとから着地する歩き方が適しているのは、ヒールが5cm以下の場合。ハイヒールの時には、足全体を着地させるように歩きましょう。その際も親指で地面を押すことを忘れずに。
猫背になっていませんか?
姿勢が悪いと、地面に対して垂直に重心をかけることができなくなります。靴底の擦り減り具合をチェックしてみて、極端に減っていたり、左右非対称に減っている場合は、正しく歩けていない証拠です。
靴ずれの予防対策
正しい靴の選び方や歩き方を行うことはもちろん、靴ずれ予防のための対策も同時に行うと安心です。足にも、靴にも、靴ずれを起こさないためのケアをしておきましょう。
足の予防対策
靴ずれ予防アイテムの活用
靴ずれ予防用のジェルパッドや絆創膏などを活用しましょう。かかと用、足指用、足裏用などのパーツ別になっていたり、素材もさまざまなので、最適なものを選びましょう。
靴下&ストッキング・タイツの着用
薄手の靴下やストッキング、タイツなどを履くことで、靴の中の摩擦を軽減できます。つま先が開いているものや、かかとだけカバーしてくれるもの、サンダル用に足の甲だけ包むものなど、靴の中で足が滑るのを防いでくれる優れモノもあります。
靴の予防対策
シューズストレッチャーでの調整
どうしても靴が足に当たってしまう部分は、市販のシューズストレッチャーで靴を伸ばし、やわらかくして調整できます。できればシューフィッターや専門店に相談して、自分の足に合った調整をしてもらうと安心です。
靴ずれ専用アイテムの着用
インソールやパッドなどで靴が足にフィットするよう、事前に対応しておきましょう。対応アイテムや自身にあった対応方法を、お店でプロに学んでおくのもおすすめです。
靴ずれの応急処置
外出先で靴ずれしてしまっても、慌てないで。適切な応急処置を行って、痛みや傷口を最小限に抑えましょう。
足の応急処置
傷口を保護する
絆創膏やジェルパッドなどで傷口を保護しましょう。靴ずれ専用の保護アイテムもたくさん出ていますので、持ち歩いておくと安心です。あくまでも応急処置なので、家に帰ってから適切に治療を行いましょう。
痛みや炎症を抑える
痛みや炎症が強い場合は、一度休憩して傷口をやさしく水で洗い、湿潤療法用の絆創膏で保護してください。靴ずれがひどくなる前に絆創膏やジェルパッドなどで保護して、傷口が広がらないようにしましょう。
靴の応急処置
傷口に当たる部分を保護する
傷口に当たる部分に保護パッドを貼り付けるなど、靴ずれ保護専用アイテムを着用しましょう。それらがない場合は、絆創膏での代用もOK。帰宅時には、パッドを剥がすなど靴のお手入れも忘れずに。
傷口に当たらないようにする
靴紐やストラップを緩めるなどして、靴が傷口に触れないようにしましょう。また、靴を緩めると歩きづらくなるため、クッション性が高いインソールを入れるなどして調整してください。
澤田さんからのメッセージ
「オシャレは足元から」といいますが、足に合わない靴を履いて靴ずれを起こし、颯爽と歩けないのでは、どんなに素敵なファッションと靴を身につけていても、自分自身が心からうれしくなれませんね。元気に、格好良く歩き続けるために、靴選びの際はもちろん、今履いている靴のお悩みも、ぜひシューフィッターに相談してみてください。