空気が乾燥する冬。肌や髪には保湿ケアを頑張りがちですが、実は、保湿が必要なのは、のども同じ。のどが乾燥すると、風邪、口臭、声が枯れるなどのトラブルを引き起こすことも。のどが乾燥する原因や、のどのうるおいを保つために気を付けることなど、五反田なると耳鼻咽喉科院長の鳴戸理佐先生に教えていただきました。
- Profile
- 鳴戸理佐先生
- > 五反田なると耳鼻咽喉科
五反田なると耳鼻咽喉科院長。日本耳鼻咽喉科学会専門医。日本耳鼻咽喉科学会補聴器相談医。地域に密着した「耳鼻科かかりつけ医」として、小児から高齢者まで幅広く診療を行い、患者との丁寧なコミュニケーションを心がけている。
「のど保湿」は
いいこといっぱい
のどが乾燥していると不快感がありますが、うるおったのどのメリットは、あまり気にしたことがないのではないでしょうか?のどを保湿することによって得られる“いいこと”をご紹介します。
「のど保湿」でこんなにいいこと!
風邪を引きにくい
風邪の原因は主にウイルスの感染。風邪のウイルスの多くは、低温乾燥の環境で、空気中の飛散量が増加します。また、のどとともにのどの粘膜も乾燥し、炎症を起こしやすくなり、ウイルスから体を守る力が衰えてしまいます。そのため、のどがうるおっていると、風邪を引きにくくなります。
声がキレイになる
乾燥したのどの粘膜は傷つきやすくなるうえ、咳を誘発します。咳は、のど、特に声帯に負担をかけてしまうので、声がガラガラになったり、枯れたりしてしまう原因になります。のどを保湿して、冬でも声を美しく保ちたいですよね。
虫歯になりにくい
のどが乾燥していると、口内環境も乾燥した状態になり、唾液が出にくくなります。唾液には、口内をキレイに保つ役割があり、乾燥していると虫歯ができやすい状態になってしまいます。
のどが乾燥する理由
毎日普通に過ごしているつもりでも、冬場はのどが乾燥してしまいます。一日中口を開けてているわけではないのに、なぜのどは乾燥してしまうのでしょうか?
エアコンや季節による外気の乾燥
気温が低いと、空気中の水分量(湿度)が低くなってしまい、エアコンも空気中の湿度を奪う原因となるため、冬場は空気が乾燥しがち。外気が乾燥していると呼吸から得られる水分量が減り、のどがカラカラになってしまいます。
口呼吸
鼻ではなく口で呼吸をしていると、外気がそのまま取り込まれてしまうため、のどが乾燥してしまいます。また、口内の水分も蒸発してしまうので、さらにうるおいが奪われてしまうのです。
水分不足
暑い夏であれば、汗をかくので水分を頻繁にとりますが、寒い冬場は、のどの渇きを感じづらく、知らないうちに水分不足になっている可能性も。体内の水分量が不足していると、のども乾燥しがちになってしまいます。
のどの乾燥でこんなダメージも!
口の中が乾いていると、口内がネバネバしたり、口臭も強くなる傾向にあります。のどをうるおわせて、口内環境を健全に保ちましょう。
「のど保湿」のために
すべきこと
特に冬場には気を付けたいのどの保湿。日常に取り入れやすい、のどのうるおいを保つための方法をご紹介します。
加湿
室内やデスク周りに加湿アイテムを置くなど、身の周りの環境を、なるべくうるおわせておきましょう。また、湯船に浸り入浴時間を長めにとるなどして、のどと体に水分を与えるといいですね。
水分補給
水や白湯をこまめに摂るように心がけ、しっかりと水分補給をしましょう。また、はちみつ入りのホットドリンクなどは、体も温まるうえ、のどにやさしくうるおいを保ってくれます。
マスク
特にのどが痛くない場合でも、マスクをして保湿をしておきましょう。風邪やインフルエンザの予防にもなりますし、乾燥も防いでくれるのでおすすめです。
鼻呼吸・鼻うがい
のどが乾燥しないように、口呼吸ではなく、鼻呼吸をしましょう。鼻が詰まって鼻呼吸がしづらい方は、鼻うがいをすることもおすすめです。鼻うがいは0.9%の生理食塩水で行います。風邪の予防に高い効果があり、花粉症も軽減します。
若子さんからのメッセージ
のどの乾燥を防ぐことで、風邪の予防ができたり、口内環境が改善されたりと、特に冬場にはうれしいことがたくさんあります。
顔や髪、手足などの乾燥予防もとても大切ですが、この冬からはのどの乾燥にも目を向けて、うるおったのどを保つよう、毎日の生活の中で心がけてみてくださいね。