顔のうぶ毛は気にしないという方もいると思いますが、実は流行りのナチュラルメイクだと、うぶ毛が目立ってしまうことも…。顔のうぶ毛は、専門サロンやエステでもケアしてもらえますし、きちんと手順を知っておけば、セルフケアもOK。今回は、株式会社リビアス副社長の大西恵子さんに、お顔そりの準備や手順、ケア方法などを教えていただきました。夏に向かって、輝く肌を手に入れてみませんか?
- Profile
- 大西 恵子さん
- > お顔そり専門サロン「ビューティーフェイス」
株式会社リビアス副社長。1993年に大阪で夫が理容室を開業。温浴施設などでのお顔そりエステも行い好評に。これをきっかけに、兵庫県尼崎市に「お顔そり・フェイシャルケア専門店 ビューティーフェイス」の1号店をオープン。現在、全国に80店舗以上を展開中。著書に『素肌からキレイになる「お顔そり」のすすめ』(現代書林)がある。
メリットいっぱい!
顔のうぶ毛そり
「顔のうぶ毛は全部そらなくてもいいのでは?」「顔にカミソリをあてるのが怖い」などの理由で、顔のうぶ毛を処理しない方もいらっしゃると思います。実は顔のうぶ毛そりにはメリットがあるのです。
肌が明るくなる
顔のうぶ毛は黒色です。1本1本は細くて目立たないけれど、顔全体に生えていると顔色をワントーン暗くします。このうぶ毛を処理することで、ハッとするほど顔色が明るくなります。
肌の新陳代謝がよくなる
顔のうぶ毛をそると、古い角質が除去されて肌のターンオーバーが整い、顔色が明るくなります。同時に、肌がやわらかくなって手触りがよくなります。
ニキビを予防できる
皮膚が硬化してできた角質が毛穴に詰まると、皮脂が分泌されず炎症を起こし、ニキビとなります。顔のうぶ毛をそると、ピーリング効果により毛穴をふさいだ角質が取り除かれます。
化粧ノリがよくなる
うぶ毛が邪魔をしないので、ファンデーションがキレイに肌に密着します。また、メイクも落としやすくなります。
顔のうぶ毛をそっても、
毛は太くならない!
毛深くならない!
顔のうぶ毛をそっても毛の量は増えない
毛をそっても毛深くはなりません。自然に生えたままの毛の先端は細くなっています。それを垂直にカットすると平らな断面が現れ、黒く見える部分が広くなるため、毛が増えたり太くなったように見えるだけです。
毛穴が広がっていると毛が太く見える
顔のうぶ毛をそったあと、何もお手入れをしないと毛穴が広がったままになり、そこから生えている毛がより多く太く見えてしまいます。また、加齢による肌のたるみも毛穴を広げる一因です。
大西さんからの
ワンポイントアドバイス
顔のうぶ毛を正しくそれば、毛が太く見えることはありません。また、肌トラブルが心配な方も、顔のうぶ毛そりの前準備、そる手順、そり方、アフターケアを適切に行うことで、安心して美肌になっていただけます。
セルフうぶ毛そりの
準備と注意点
顔のうぶ毛そりのメリットを知ったら、さっそく実践してみたくなりませんか?その前に、セルフうぶ毛そりの準備と注意点を確認しておきましょう。「まだちょっと怖い」と思っている方も、これを読めば安心して顔のうぶ毛をケアすることができますよ。
- Qいつ行うといいの?
- A時間があるときにゆっくりと帰宅してお風呂に入った後は肌もやわらかくなっているので、その時に落ち着いて取り組みましょう。かかる時間は、準備からアフターケアまで約20分。慣れてきたら15分もかかりません。
【 注意点 】
刃物を使う作業ですから、時間がない朝などには行わないほうがよいでしょう。 - Qどこで行うといいの?
- A明るく、顔全体が映る鏡の前洗面所など、十分に明るく、顔全体が映る鏡のある場所で行いましょう。顔の細かい凹凸やうぶ毛1本1本までよく見える状態で行わなければ、思わぬ事故が起きかねません。
【 注意点 】
入浴時の浴室でのうぶ毛そりはおすすめしません。湯気で鏡が曇ってしまい、顔がよく見えないからです。 - Qどれくらいの頻度で行うといいの?
- A2週間から1ヶ月の間に1回程度顔全体をそるのは2週間から1ヶ月の間に1回くらいが一般的です。自分の肌のターンオーバーに合わせて「肌がゴワゴワしてきたな」と感じたらそるとよいでしょう。
【 注意点 】
眉の周りや鼻の下は気になったときにそりましょう。部分的にそる場合でも前後のケアを忘れずに。 - Qうぶ毛そりをしてはいけない時は?
- A肌が敏感になる生理前・生理中生理前・生理中は肌が敏感になっているので避けてください。他にも、日やけをした直後や肌荒れが激しい時、ニキビがたくさんある時などは控えたほうがよいでしょう。
- Qどんな道具を使えばいいの?
- A女性の顔専用のI字型カミソリなど女性の顔そり専用の「I字型」のカミソリを使いましょう。使い捨てタイプで安全ガード付きを選ぶのがおすすめです。また、カミソリの滑りをよくするために、シェービングクリームを塗ります。シェービングクリームは、はけで塗るとよいでしょう。はけは、毛のやわらかいチークブラシなどが適しています。
【 注意点 】
「T字型」のカミソリは、細かい凹凸に刃を合わせることができないため、やめましょう。シェービングフォームや洗顔料は、泡で肌が隠れてしまい危険です。石鹸は皮脂を取り除く作用が強いため、使うのは控えましょう。 - Qどんな準備をするといいの?
- Aメイクを落として、蒸しタオルをあてるうぶ毛そりの最初のステップは、肌をそりやすく整えることです。まずはメイクを落として清潔にするのが第一。それから、蒸しタオルで肌やうぶ毛をやわらかくして、安全にそれるようにしましょう。
大西さんからの
ワンポイントアドバイス
時間に余裕がある時は、洗顔の後にマッサージをするのがおすすめです。マッサージをすると血行がよくなり、肌がよりやわらかく滑らかになるため、そりやすくなります。逆に、そった後は肌が敏感になってるので、マッサージなどのスペシャルケアは避けましょう。
セルフうぶ毛そりの
上手な方法
準備が整ったら、さっそくセルフうぶ毛そりに挑戦してみましょう。最初はゆっくりと、一つひとつの工程を丁寧に行ってくださいね。
カミソリの持ち方
カミソリは、利き手で鉛筆のように持ちます。力を入れずにそることができ、肌を傷めることがありません。
【 NG 】
カミソリの柄を手のひらで握るのはやめましょう。力が強く入り過ぎてしまいます。指先でつまむように持つのもNG。刃先がふらふらして安定しません。
カミソリの向き
カミソリは、毛の生えている方向に沿って、上から下に向けて動かすのが基本。刃を下に向けて肌にあてます。
【 NG 】
毛の生えている方向に逆らってそるのはやめましょう。カミソリを下から上に滑らせると、皮膚がたるんで刃がひっかかりやすくなります。
正しいそり方
- ① 利き手と反対の手でこめかみの少し上部を押さえて、皮膚を斜め上後方に軽く引っ張ります。そる方向と逆の方向に皮膚を引っ張るのがコツです。こうすることで皮膚がピンと張り、うぶ毛が立ち上がります。
- ② 引っ張ったまま、カミソリを上から下にスーッと軽く滑らせます。皮膚が張っているので、スムーズに動かすことができ、1回でキレイにそれます。
- ③ 刃にうぶ毛が詰まっていたら、その都度水ですすぎます。こまめに洗うことで切れ味が復活し、安全にそることができます。
【 NG 】
カミソリを肌の上に滑らせるのは1回だけにしましょう。同じところを繰り返しなぞると角質層が薄くなりすぎ、肌トラブルの原因になります。
大西さんからの
ワンポイントアドバイス
カミソリの切れ味が悪くなると、肌にひっかかりやすくなり危険です。また、よく切れないと余計な力を入れたり、何度も同じ部分をそったりしてしまいがち。使い捨てタイプのカミソリは、2~3回使ったら新しいものと交換しましょう。
セルフうぶ毛そりの
アフターケア法
うぶ毛をそった後の肌は、いつもより刺激を受けやすく、乾燥しやすくなっています。仕上げに保湿と引き締めのためのケアをして、肌をしっかり守りましょう。
肌の保湿をする
化粧水を手にとり、顔全体にやさしくつけます。保湿をすると毛穴が引き締まり、肌がひんやりと落ち着く効果があります。さらに、毛穴が目立たなくなります。
【 NG 】
手で頬をピシャピシャ叩いたり、コットンで化粧水を叩き込んだりするのは刺激が強すぎます。そっと浸透させましょう。
時間があればパックでスペシャルケアを
保湿効果を高めるパックを行うのもおすすめ。ふき取りタイプか洗い流すタイプ、シートタイプなど、肌にやさしいものを選びましょう。
【 NG 】
固めてはがすタイプのパックは控えましょう。ピーリングやスクラブ洗顔、マッサージなど肌に刺激になることも、当日は避けましょう。
UVケアはいつもよりしっかりと
うぶ毛をそった直後の肌はデリケートなので、なるべく紫外線を浴びないことが大切です。当日、日光の下に肌をさらす場合は、必ず日やけ止めをつけてください。
【 NG 】
SPF50以上の日やけ止めは刺激になる可能性があるので、そった後2~3日間は海水浴などは避けることをおすすめします。
大西さんからの
メッセージ
お顔のうぶ毛そりに対して不安をお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、実際に体験されたお客さまは「顔色が明るくなった」「肌がプリプリになった」と喜んでいただいています。
髪の毛やお肌のお手入れと同じように、お顔のうぶ毛そりを習慣にしていただけるとうれしく思います。
お顔のうぶ毛をそったことがない方にも、そして、日頃からなんとなくうぶ毛の処理をされている方にも、その日のうちにお肌がパッと明るくなる、正しい顔のうぶ毛そりの魅力を多くの方に実感していただきたいと思っています。