「ドライヤーは髪が傷むから、自然乾燥がいい」というのは勘違い!濡れた髪をそのまま放置しておくと、髪が傷みやすくなることも。髪も肌と同様、タオルドライからドライヤーまで正しいケアをすることで、翌朝の調子が劇的に変化します。今回は、毛髪診断士の沖島美雪先生に、美髪ドライヤー術を教えていただきました。濡れ髪放置のデメリットや、髪の乾かし方、ドライヤー時の注意点などをご紹介します。
- Profile
- 沖島 美雪先生
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毛髪診断士、公益社団法人日本毛髪科学協会公認。都内の美容室に勤務後、フリーの美容師として仕事をする一方、ヘアメイクアップアーティストとしてテレビ番組や雑誌、舞台などで幅広く活動。最近では、日本毛髪科学協会公認の毛髪診断士としてさまざまなメディアやメーカー等のアドバイザーとして活動中。
髪の
“濡れたまま放置”はNG
「ドライヤーの熱風で強制的に髪を乾かすと、髪を傷めてしまう」「面倒くさいから自然乾燥させる」、という方もいらっしゃると思います。実は髪を濡れたまま放置しておくことで、以下のようなデメリットもあります。
髪が傷みやすくなる
髪が濡れた状態のままで、タオルでゴシゴシと拭いたり、ブラシで過剰に何度もとかしたりすると、髪同士が摩擦して、傷んでしまいます。
頭皮のかゆみやニオイが出やすくなる
髪や頭皮を濡れた状態で放置すると、頭皮にいる常在菌が繁殖しやすい状態になる可能性があり、かゆみやニオイの原因になってしまうことも。
髪に寝癖がつきやすくなる
髪が完全に乾かないまま眠ってしまうと、髪が頭の重さによる圧を受けやすくなります。また、髪が曲がったままの状態で乾いてしまうと、寝癖がつきやすくなります。
沖島先生からの
ワンポイントアドバイス
髪は確かに熱に弱いですが、ドライヤーで乾かすことと、髪を濡れたままで放置することを比べれば、ドライヤーを使ったほうが髪への負担が少ないと思われます。ドライヤーを近づけ過ぎず、同じところばかりにドライヤーを当てないようにして、手早く乾かすのがポイントです。
マスクの
美髪を作る髪の乾かし方
高品質のシャンプーを使って髪を丁寧に洗ってトリートメントをしても、乾かし方が悪ければ、それは水の泡に…。ドライヤーを使うことは、ただ髪を乾かすのではなく、髪のお手入れにつながります。正しい手順で、しっかり乾かすことが美髪への近道なのです。
① タオルドライで水分を取り除く
美髪のポイントはキューティクル。洗髪後は、キューティクルが傷つきやすい状態になっています。そこで大切なのがタオルドライです。しっかり水分を取り除いておくと、ドライヤーの時間も短くてすみます。決して髪をこすらず、ポンポンと叩くようにして水分をタオルで取り除きましょう。
② ドライヤーの「温風」で乾かす
ドライヤーでまず最初に乾かす場所は「根元」。空いているほうの手の指を広げ、頭皮をボールに見立ててボールを磨くように指を頭皮に当てて動かしながら乾かすといいでしょう。毛先も同時にある程度乾くことが期待でき、髪を乾かす時間も短縮できます。
③ ドライヤーの「冷風」で乾かす
温風で髪を乾かしたら終わり、ではありません。最後に「冷風」を髪に当ててみてください。髪をキュッと引き締め、スタイリングがしやすくなります。
なぜ「冷風」で
仕上げるの?
ツヤが出やすくなる
冷風を当てることでキューティクルが整った状態になり、髪の毛のツヤ感がアップします。
ヘアセットの持ちがよくなる
温風とブラシなどで毛先にカールを付けたあとに、ブラシを髪に通したまま冷風を当てると、カールの持ちがよくなります。
沖島先生からの
ワンポイントアドバイス
ドライヤーでは、髪の中間から毛先を中心に乾かしがちです。髪の根元を乾かす意識でドライヤーを当てると、毛先のダメージも軽減し、髪を乾かす時間が短縮しますよ。温風で手早く髪を乾かし、そのあと温風と冷風を交互に使って髪型をスタイリングするのが美髪の秘訣です。
髪の長さ別
速乾テクニック
ドライヤーは髪のお手入れに欠かせないものですが、髪に不必要なダメージを与えないためにも、手早く短い時間で済ませたいもの。ですが、間違った乾かし方だと髪を傷めてしまうかもしれません。ショート、ミディアム、ロング、それぞれの速乾テクニックをマスターしましょう。
ショートヘア
ショートヘアはスタイリングや毛先で遊ぶことが難しいスタイル。だからこそ、ドライヤーでの乾かし方が大切になります。根元を意識して乾かすことが基本ですが、よりトップのボリューム感を意識して、指で髪を持ち上げて乾かすようにしてみるとよいでしょう。
【 POINT 】
「ショートは自然乾燥でもすぐに乾く」と考えている方もいるかもしれませんが、ボリュームのあるショートヘアのスタイリングをしたいのであれば、ドライヤーが決め手になります。
ミディアムヘア
いろいろなスタイリングが楽しめるミディアムヘア。ショートと同じく根元を意識してしっかり乾かしてみましょう。根元が乾けば、髪はほぼ乾かせた状態です。あとは仕上げを意識して、中間部分、毛先を乾かせばOKです。
【 POINT 】
髪を早く乾かすには、髪を乾かす順番が重要。後頭部は頭頂部からの髪が覆いかぶさっていて根元が乾きにくいため、最初に乾かすことで時間短縮できますよ。
ロングヘア
ロングヘアの方は、毎日の髪のお手入れに時間をかけていることでしょう。「時間がかかり過ぎて…」という場合は、しっかりタオルで水分を取り除けば、ドライヤーの時間は短くて済みます。速乾性タオルを使用するのもおすすめです。
【 POINT 】
タオルドライは、髪の毛全体の水分を取ることを意識して。決してゴシゴシこすらずに、タオルで髪を包むようなイメージでやさしく行いましょう。
沖島先生からの
ワンポイントアドバイス
ショートもミディアムもロングも、早く乾かすポイントはしっかりとしたタオルドライ。ドライヤーを使って、キレイに短時間で髪を乾かすには、ドライヤー前のタオルドライがとても大切です。
ちょっとひと工夫!
美髪の作り方
ツヤがない、パサつく、朝起きると毛先がハネている、髪がうねっている…。いろいろな髪の悩みもドライヤーを上手に使いこなして軽減可能!美髪のポイントは毎日のドライヤーから。シャンプーやトリートメントにこだわるのと同じくらい、ドライヤーの使い方にもこだわってみてください。
髪のツヤアップ!
髪のツヤをアップさせるポイントは髪の水分量。タオルドライ、根元から乾かす、冷風で仕上げる、この3つで髪のツヤをアップさせることは可能ですが、タオルドライの後に、洗い流さないタイプのトリートメント(アウトバストリートメント)で潤いを補うのも効果的です。
【 POINT 】
アウトバストリートメントは、ミスト、ジェル、オイル、クリームなどがあります。手軽なミストかオイルから試してみるとよいでしょう。
毛先のハネ、髪のうねりナシ!
しっかり乾かしたつもりなのに、翌朝、毛先がハネていたり、髪がうねっていたり…。それは、まだしっかり乾かせていないことが原因のひとつかも。「乾いた!」と思っても、まだしっとりしていないか、もう一度チェックしてください。ただし、乾かし過ぎには注意を。
【 POINT 】
ドライヤーは風量が多いものを使うと◎。髪が傷みそうだからと、少ない風量で長時間、同じ箇所に熱い風を当てるのは髪を傷めてしまう可能性も。ドライヤーは頭皮から15~20cmほど離して使うように心掛けましょう。
パックリ前髪予防!
朝起きたら前髪のパックリ割れていた、なんてことありませんか?それも髪が十分に乾いていないことが原因のかもしれません。髪の生え方などの要因もありますが、温風で適切に乾かしたあとに冷風で整えてあげることで、パックリ前髪が軽減されるはずです。
【 POINT 】
朝、前髪がパックリ割れているときは、一度髪の根元から濡らして温風で乾かし、仕上げに冷風を当ててみてくださいね。
沖島先生からの
メッセージ
ドライヤーを使って適切に髪を乾かすと、髪のツヤが生まれるだけでなく、スタイリングも決まりやすくなります。また、ドライヤーを使う前に、しっかりタオルドライすることも忘れずに。
まずは今使っているドライヤーとタオルの「使い方」を意識するだけでも美髪作りはできます。
ぜひ今日から、正しい髪の毛の乾かし方で、美髪作りを始めてみてくださいね。