寝苦しい夜もスッキリ快眠♪夏の快適睡眠術

いよいよ夏本番。日中は夏バテで体がだるいし、夜は暑さでうまく寝付けない…。これでは睡眠不足になってしまい、疲れがとれないどころか溜まる一方になってしまいます。今回は、睡眠改善シニアインストラクターの小林瑞穂さんに、寝苦しい夏を乗り切る快眠術を教えていただきました!この夏は、質の高い睡眠で、元気に過ごしましょう。

Profile
小林瑞穂さん

『快眠サロン水月~mizuki~』代表、睡眠活用の専門家・薬剤師。のべ5万人以上の「眠りの悩み」に関わり、睡眠改善=生活改善が、心と体を元気にするだけでなく、その人の毎日を前向きに豊かにしていくことを実感。オーダーメイドの改善提案だけでなく、『睡眠活用術』=『ハイパフォーマンス睡眠法』等セミナーや講座を行っている。著書に『できる大人の9割がやっている 得する睡眠法』(宝島社)など。

CHAPTER 1
その寝苦しさは、
暑さのせいだけじゃない!?

まずは快眠度チェック

「毎晩寝苦しくて、スッキリしない」「眠っているはずなのに、疲れがとれない」、そんな人は自身の快眠度をチェックしてみましょう。ひとつでもチェックがついたら快眠できていない可能性がありますので、このチェックシートを睡眠改善のきっかけにしてみてくださいね。

快眠度
チェックシート

  • 日中、ウトウトしてしまう
  • 朝、スッキリ目覚められない
  • 便秘気味である
  • 明るさに敏感(真っ暗 or 照明が必須など)
  • 寝る前に悩み事を思いだす
  • 「だるい」「疲れた」が口ぐせ
  • 睡眠不足を自覚している

これも睡眠トラブルが
原因かも…!?

休日に「寝だめ」をする

それは貯めているのではなく、溜まった疲れを回復しているだけ。睡眠不足が続いていた証拠です。早めに睡眠不足を解消しましょう。

起きる時間が毎日バラバラである

神経質になりすぎる必要はありませんが、まずは起きる時間を揃えて睡眠のリズムをつくりましょう。

最近、あまりやる気が出ない

睡眠不足は日中のパフォーマンスに影響を与えます。正しい睡眠がやる気につながります。

小林さんからの
ワンポイントアドバイス

夏バテは、強い日差し、冷え過ぎの冷房、冷たい食事、寝苦しくて眠れないなど、体に負担がかかって体力の低下や食欲減退が起こります。この時期こそ、良質な睡眠をとることが大切ですね。

CHAPTER 2
量より質で夏の睡眠改善!

睡眠の質を高めて
元気に過ごすコツ

質の高い睡眠を確保するため、そして日中を元気に過ごすために、ちょっとした工夫で睡眠は改善します。毎日の生活の中でできる簡単なことなので、ぜひトライしてみてください!

快眠の基本のコツはコレ!

カーテンを開けて寝て、朝日を浴びる

夜眠る前にカーテンを開けて眠りにつくことで、朝の光を浴びることができます。だんだん明るくなる光を感じることで、体が起きる準備を始め、スムーズに目が覚めます。たった1秒でできる、スッキリ起きるためのコツです。

【 POINT 】

視線が気になる方は、中の見えにくいミラーレースのカーテンもよいでしょう。または、起きてすぐにカーテンを開けたり、散歩に出て朝日を浴びるようにしましょう。夏は5分以上、冬は20分以上を目安に。

夜は心も体もゆるめる

心も体もリラックスさせることが、眠る前のコツです。自律神経のスイッチを休息モードにすることで、自然に眠りに入ることができます。リラックスさせるための「ゆるめるアクション」を決めるのもよいでしょう。

【 POINT 】

おすすめは入浴と深呼吸。ぬるめの温度でゆっくり湯船に浸かると、心身ともにリラックス効果が得られます。また、入浴で深部体温を上げて、その体温が下がるタイミングで横になると、スムーズな入眠につながります。深呼吸をする時は、目を閉じてみてください。

朝は“好き!”から始める

朝起きたらまず“好きなこと”をやってみましょう。難しく考える必要はありません。自分がワクワクできる、小さな“楽しいこと” を実践します。朝起きて自律神経のスイッチを活動モードにしてあげることが、一日を元気に過ごすコツです。

【 POINT 】

五感に訴えかけ、笑顔になるアクションがおすすめ。元気になる音楽で目覚めたり、植物に水をあげたり、好きな野菜入りのお味噌汁を飲んだりなど“好き”を取り入れましょう。しっかり体と脳が覚醒し、一日のスタートが変わります。

まだまだあった!
元気になれる過ごし方

朝の3分シャワーor3分お風呂

お湯に浸かるなら42℃で3分以内、シャワーなら43℃でササッと。元気スイッチが入ります!

ランチ後20分のお昼寝

昼食後のお昼寝で頭がスッキリ、午後を元気に過ごせます。ただし、20分以上寝るのは逆効果なのでNGです。

夕食に苦味や酸味をプラス

ゴーヤや梅干しなど苦味や酸味があるものは、副交感神経の働きを促してくれるのでおすすめです。

小林さんからの
ワンポイントアドバイス

睡眠の質を高めて元気でいるためには、睡眠以外の時間の過ごし方が大切です。3つのコツは夏以外でも役に立ちますので、いつでも実践してみてくださいね。

CHAPTER 3
エアコンをうまく利用しよう

明日元気になる、
夏の快眠空間の作り方

寝苦しい夜は、我慢をせずにエアコンなどの清涼アイテムを上手に使いましょう。快眠に大切な「心地いい空間」をつくることで、良質な睡眠を得ることができます。

布団の中の『寝床内温度』が大事

眠る時の理想的な室温は26℃±2℃、湿度は50~60%といわれていますが、さらに大事なのは、布団と体の間の温度である『寝床内温度』です。理想は32~34℃。寝床内温度が適温であれば快適に眠ることができるので、冷えた涼しい部屋で眠る方は、タオルケット1枚ではなく温度をキープできるお布団で。

エアコンで冷やすべきは、
体ではなく“部屋”

エアコンは、寝室の空気・家具・壁・寝具など、部屋そのものを冷やすために使います。帰宅したら、温まった空気を室外に流し、眠る前に冷やして温度を下げておくことがポイントです。
起きている時と、眠っている時の深部体温は、1℃も違うため、起きている時と同じ涼しさを求めると、風邪をひきかねません。眠る前にきっちり部屋を冷やしておくと、途中でエアコンを切っても快適な眠りは続くはず。
また、湿度も寝苦しさの原因になるため、除湿もお忘れなく。

清涼アイテムでは、
まず“頭”を冷やす

冷却枕やマットなどでは、まず首元から頭・耳裏を冷やしましょう。体温を下げるのはもちろんですが、ヒンヤリ感を感じてホッとすることが大切です。
足の裏も効果的ですが、冷やしすぎると冷えの原因にもなるので注意を。また、太い血管が通っているので、ワキを冷やすのもおすすめです。

小林さんからの
ワンポイントアドバイス

体感温度と自分の体温を下げるには、メンタルの力が作用してくれることもあります。涼しげな音や香り、色を活用することが快眠のサポートにもつながります。

CHAPTER 4
睡眠中の寝相、気にしてますか?

キレイにつながる
快眠寝相

大人も子どもも気になる寝相。寝相の良し悪しで睡眠の質や寝具との相性もわかるのだとか。今夜から睡眠中の寝相にも意識を向けてみましょう。

寝相で分かる!快眠対策

寝相がとても悪い

眠っている間、何度も寝返りを打つのは普通のこと。ただし、あまりにも寝相が悪い場合は、寝具や環境が合っていない可能性も。体調に不具合がある場合も考えられますので、ご自身の体を気にかけてみてください。

寝相は普通

そこまで寝相は悪くない人は、通常の動きをとっているといえます。骨格のバランスを調整しようとしたり、熱を逃がそうとしたり、眠っている間に負担のないよう、自分で適切に動いていると考えられます。

眠っている間、あまり動いていない

眠っている間ほとんど動いていないという場合も、少し心配です。寝具が合っていないなど、体の一部分への圧迫や負担が大きくなりますので、体と環境に気を配ってみてください。

夏の快眠のために、
正しい寝具選びを

敷布団

筋肉量がある方は硬め、逆の方は柔らかめがおすすめですが、自分の体感で心地いいものを選ぶのがベスト!さらに、夏は通気性や吸湿性に注目です。

高さ、硬さ、素材の3点をチェック。こちらも実際に試すのが◎。夏はやや固めで空気の通りを確保するのも夏の寝心地対策です。

掛布団

通気性、放熱性を重視して、タオルケットや綿毛布などを選ぶのがポイント。肌触りも重要なので触ってみて判断しましょう。

小林さんからの
メッセージ

人は、眠るために生きているのではありません。起きている間を自分らしく生きるために眠るのです。毎日を元気にイキイキと過ごすために眠る、とてもポジティブでステキなことだと思いませんか?そして、自分のために良い眠りをとってみようと思いますよね。
眠り方にルールはありません。今の自分に合った眠り方で良いのです。眠りは修行ではなくギフト。「眠らなければならない!は捨てて、自分らしく、楽しく活きるために快眠しよう!」。睡眠をそんな風にとらえてもらえるとうれしいです。

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