この冬に大活躍してくれたレザーアイテムたち。衣替えの季節がやってきましたが、保管方法を間違えるとカビや型崩れの原因になってしまいます。そこで今回は、東京表参道と横浜元町にある手縫いカバンの教室「ヨコハマセリエ」のカワチ先生にレザーアイテムのお手入れ法を教えていただきました!冬物レザーの保管方法はもちろん、季節問わずお世話になっているレザーのお手入れ法を紹介します。
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- カワチ先生
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幼い頃から手芸やオシャレが大好きで、カスタムや刺繍、ペイントなどでさまざまなアイテムをアレンジ。モロッコで革工房を見学したのをきっかけに革に魅了され、独学でのモノづくりを経て、ヨコハマセリエで本格的に技術を習得。レザーブランド「maware」の革職人に。教室では「まずはやってみる!」をモットーに、楽しく技術を伝えている。
レザーアイテム
取扱い時の注意点
長い間一緒に過ごしたいなら、レザーとお付き合いするには少しの注意が必要です。丈夫でカッコいいレザーでいてもらうためにも、扱い方のポイントを覚えておきましょう。
水や雨に気を付けて!
水に濡れると色落ちやシミの原因に。濡れてしまったらすぐに乾いた布などで拭き取り、形を整えて風通しのよい所で陰干しを。ドライヤーや乾燥機は革が傷むので使わないこと。
温度と湿度に注意!
温度と湿度が高い場所に長い間置いておくと、カビや金具部分のサビの原因に。カビを見つけたら乾いた布やブラシでやさしく落とした後、必要があれば専門店に相談しましょう。
紫外線を長時間浴びさせない!
長い時間直射日光にさらされると、変色や変形の原因に。置き場所や保管場所には十分に注意しましょう。変色してしまったら、自分の力では元に戻しにくいので専門店に相談を。
気を付けたい!
レザー注意点
色移り
濡れたまま使用すると、着ている服に革の色が移ってしまうことも。濡れたらすぐに拭きましょう。
毛羽立ち
スエードなどの起毛革は、使っているとどうしても毛羽立ちが目立ってきます。丁寧なブラッシングケアが◎です。
縫い目
縫い目にたまったほこりや汚れは、糸がほころばないようにやさしくブラシをかけて取り除きましょう。
カワチ先生からの
ワンポイントアドバイス
ブラッシング用のブラシは馬毛などを使ったやわらかいものをおすすめします。また、レザーの扱い方には注意点がたくさんあるように思われますが、どれも毎日の小さな気遣いで対応できることですので、ほんの少しだけ気にしてあげながら付き合ってみてくださいね。
レザーアイテムの
お手入れ方法
レザーアイテムをずっとキレイに丈夫で使うためにも、日々のお手入れに気を配ってみませんか?まずは基本のお手入れからマスターしましょう。
基本の
お手入れ
- ① 使ったら、その日のうちにやわらかい布で乾拭きして汚れを落とします。
- ② やわらかいブラシでやさしくブラッシングします。
- ③ 汚れが気になったらクリーナーで丁寧に落とします。
- ④ 月に1回程度は保湿クリームで乾燥を防ぎます。
- ⑤ 防水スプレーをかけて仕上げます。
バッグのお手入れPOINT
保湿クリームや防水スプレーは汚れをつきにくくする効果もあります。持ち手や角などの傷みやすそうなところには、とくに念入りにお手入れを。
財布のお手入れPOINT
カード類や小銭を入れ過ぎると型崩れの原因に。また、バッグの中で他の荷物との摩擦を起こすことで傷んでしまうので、バッグのポケットに入れたりと収納場所を決めておくと◎です。
パンプスのお手入れPOINT
同じレザーパンプスを連続で履くと傷みやすくなってしまうので控えましょう。また、お手入れの時につま先やかかとの減りをチェックするとよいでしょう。
カワチ先生からの
ワンポイントアドバイス
おろしたてのレザーアイテムには、使う前に基本のお手入れを済ませておくと、キズや汚れがつきにくくなります。ぜひ試してみてくださいね。
冬物レザーの
保管方法
寒い季節の間、オシャレに防寒してくれていた冬物のレザーたち。お疲れ様とありがとうの気持ちを込めて適切に保管して、次の季節にも大活躍してもらいましょう。
レザーアウター
- ①乾いた布やブラシで表面の汚れをやさしく落とし、革用クリーナーなどを使って拭きます。
- ②革用保湿クリームなどを塗って油分を与えます。
- ③外側に防水スプレー、内側に除菌スプレーをかけます。
- ④陰干しの後、通気性のよいカバーをかけてハンガーにつるして保管します。
【 POINT 】
直射日光が当たらず、湿度が少ないところに保管してください。
レザーブーツ
- ①レザーアウターのお手入れ法①~③と同様。
- ②ブーツにブーツキーパーを差し込み、陰干しします。
- ③除湿剤とともに購入時の箱に入れて保管します。
【 POINT 】
玄関の下駄箱や収納は湿度が高いので、別の場所に保管するのがベター。箱がなければ、通気性のよい布などに包んで高い位置に保管を。
レザー手袋
- ①布を中性洗剤を薄めたぬるま湯に浸して固く絞り、手袋をひっくり返して内側を拭きます。
- ②布をぬるま湯に浸して固く絞り、さらに手袋の内側を拭いて、陰干しします。
- ③レザーアウターのお手入れ法①~③と同様のお手入れを。
- ④除湿剤とともに通気性のよい布などに包んで保管します。
【 POINT 】
アウターやブーツと違って直接肌に触れるものなので、内側もキレイにして保管しましょう。
カワチ先生からの
ワンポイントアドバイス
レザーのお手入れグッズはお手持ちのアイテムに合ったものを購入してください。使い方なども丁寧に載っていますよ。レザーと長くお付き合いするには、保管方法もとっても大事です。衣替え前にひと手間をかけてあげることで、翌年もレザーの表情がグンと明るくなります。
いろんなレザーとの
接し方
レザーの種類はたくさんありますが、それぞれに扱い方が違うので注意が必要です。いろんなレザーの個性を知ることで、長く楽しいお付き合いになること請け合いです!
エナメル・パテント
コーティングしてあるから水にも強いはず、と思われがちですが、逆です。水に濡れたり湿度が高いとべた付いたり、乾燥が激しいとひび割れたりするので、細やかにケアしてあげましょう。
【 POINT 】
エナメル専用のアイテムでやさしくお手入れしてください。ひび割れは修復できないので、予防ケアが大切になります。
スエード・ヌバック
起毛にゴミが付きやすく、濡れるとシミが残ったり、乾いても革がこわばったりする場合があるので、扱い方には注意したいもの。起毛の流れをキープすることが長く付き合うコツになります。
【 POINT 】
専用アイテムとともに、ブラシも馬毛ではなくゴムなどを使ったスエード用のものがおすすめです。
ムートン
外側のお手入れはスエード・ヌバックと同様に行ってください。また、ムートンの特徴である内側のモフモフは羊毛。ここがへたらないようにお手入れしてあげるといいですね。
【 POINT 】
羊毛は、専用ブラシでやさしくブラッシングしてあげることで、ゴミをとったり、毛流れを保つことができます。
カワチ先生からの
メッセージ
私は革小物とバッグの教室「ヨコハマセリエ」で講師をしていますが、革で「ものづくり」をすることは難しいと思われがちです。しかし、実は基本的なテクニックとちょっとした気配りの積み重ねで誰でも上手に作れるものなのです。
レザーアイテムのお手入れも一緒で、面倒だと感じてしまいがちですが、実際にやってみるとそんなに手間ではないですし、なによりレザーが応えてくれることがうれしくて、楽しんで続けることができます。
これを期に、ぜひレザーとのステキなお付き合いを始めて見てくださるとうれしいです。