最近はスーパーでも様々な種類が販売されているチーズ。食べ方も豊富で、何よりとってもおいしいチーズですが、カロリーが高そうで敬遠している方もいらっしゃるかもしれません。しかし、チーズは美肌に欠かせないビタミンB2が豊富で、美容・健康に大変優れた発酵食品なのをご存知でしたか?今回は、チーズプロフェッショナルの渡邉美洋子先生に、チーズの基礎知識や美容&健康面のメリット、簡単レシピなどをご紹介いただきました。美人の素がたくさん詰まったチーズ、この秋からは怖がらずに「大好き!」と言ってみましょう!
- Profile
- 渡邉美洋子先生
- > エスパスプレジール
> ル・サロン
2011年「横浜ワイン&チーズサロン エスパスプレジール」をオープン。今年新たに山下公園前にオープンした「ル・サロン横浜山下町」のプロデューサーとして就任、ワインスクールの運営を行っている。2つのサロン運営を通して、ワインとチーズのおいしさ、学ぶ楽しさを伝える。フランスチーズ鑑評騎士の会シュヴァリエ叙任。CPA認定チーズプロフェッショナル、JSA認定ワインエキスパート。CPA認定チーズ検定講師としても活躍中。
メリットいっぱい!
チーズで
キレイになれる理由
「おいしいうえにキレイになるなんて、そんなにいいことあるかしら?」と疑ってしまうほど、チーズにはキレイの理由がたくさんあるのです。チーズのカロリーを気にしていては、キレイのチャンスを逃してしまいますよ!
美肌・美髪になれる!
チーズに豊富に含まれるビタミンB2は、健康的で美しい肌に欠かせない美肌のビタミンです。肌の新陳代謝を高め、肌荒れの回復にも一役買ってくれます。また、チーズの豊富なタンパク質は髪の毛を強く・美しくしてくれます。
ダイエットに最適!
チーズのタンパク質は体の代謝を高めてくれます。また、チーズは腹持ちがよく間食に最適、そのカルシウムはダイエット中のイライラを抑えてくれます。さらに、不足しがちなビタミンを効率的に補ってくれる優れものです。
便秘にもおすすめ!
女性の大敵である便秘。チーズに含まれる乳酸菌が腸内環境の改善を促し、腸の活動を活発にしてくれます。そのため、便秘を防いだり、整腸作用も期待できるのです。
発酵食品の代表格!
チーズのうれしい発酵ポイント
栄養成分は牛乳の10倍!
チーズ100gを作るには、その10倍の1000mlもの牛乳が必要です。よって、チーズ20gは牛乳200mlの栄養成分に匹敵するのです。
カルシウムの吸収率は小魚の2倍!
チーズは熟成という過程を経ることでその栄養素が体に吸収されやすくなっています。中でもカルシウムの吸収率は小魚の2倍というので驚きです。
お腹がゴロゴロしにくい!
牛乳を飲んでお腹がゴロゴロするのは乳糖が原因です。熟成したチーズは製造過程で乳糖がほとんど取り除かれるため安心して食べられます。
渡邉先生からの
ワンポイントアドバイス
おいしく食べて、そのうえ私たちのキレイをサポートしてくれるチーズは、まさに女性の味方です。完全栄養食品と言っても過言ではないチーズを、毎日の生活に上手に取り入れてみてくださいね。
チーズの種類と
選び方
世界各国の様々なチーズが手に入りやすくなった昨今、どれを選べばいいのか迷ってしまいますよね。ここでは、キレイになるためのチーズの種類と選び方をご紹介いたします。
プロセスチーズ
ナチュラルチーズを加熱加工してあるチーズのことで、普段よく目にするスライスチーズなどを指します。加熱することで保存期間が長く保たれ、味も安定しています。また、価格もリーズナブルで、もっとも親しみやすいチーズともいえます。
ナチュラルチーズ
各種類ごとの製造方法で造られた、微生物や乳酸菌が生きているチーズです。そのため、日々熟成して風味が変化していくため、プロセスチーズよりも保存期間が短いですが、様々な味わいが楽しめます。以下では、ナチュラルチーズの主な種類と選び方をご紹介します。
フレッシュタイプ
生乳そのものの味わいやヨーグルトのような風味、クリーミーでソフトな口当たりが楽しめる、熟成させないタイプ。保存期間が短いので早めにいただきましょう。
◎ダイエットしたい人にはこのチーズ!
フレッシュタイプは、クリームチーズを除いて水分を多く含んでいるため、同じ量のチーズを食べた場合と比べて、断然「低カロリー」です。中でも「カッテージ」や「リコッタ」は、高たんぱく、低脂肪で◎。
◎選びたいチーズ
カッテージ、リコッタ、フロマージュ・ブランなど
ハードタイプ
熟成期間が長く、濃厚で力強い味わいが特徴です。プレスして固く造っているため水分が少なく、他のナチュラルチーズに比べて保存性にも優れています。
◎美骨、美歯になりたい人にはこのチーズ!
ハードタイプに含まれる豊富なカルシウムは、熟成中にできるペプチドによって体内に効果的に吸収されるため、たんぱく質が骨を形成する働きを高めます。「骨粗しょう症予防」や「虫歯予防」効果も認められています。
◎選びたいチーズ
パルミジャーノ・レッジャーノ、エメンタール、コンテなど
青カビタイプ
青カビで熟成させるタイプです。ブルーチーズとも呼ばれ、独特の香気と風味が特徴。塩分が強いものが多いので、料理にも相性のいいチーズです。
◎胃を健康に保ちたい人にはこのチーズ!
青カビタイプのチーズに含まれる遊離脂肪酸は、胃潰瘍の原因菌である「ピロリ菌を抑制」する効果があることが分かっています。
◎選びたいチーズ
ゴルゴンゾーラ、ロックフォール、スティルトンなど
白カビタイプ
白カビで熟成させたチーズ。白カビを外皮にまとい、マッシュルームのような香りと、内側は白カビによってたんぱく質がアミノ酸に分解されクリーミーにとろける食感が楽しめます。高脂肪タイプもあるのでご注意!
◎便秘を解消したい人にはこのチーズ!
白カビなどソフトタイプのチーズには、腸内のビフィズス菌を増殖する因子が含まれているため「整腸作用」が期待できます。さらに、腸内環境を整え善玉菌による腐敗物質を少なくするので、「がん予防」にもつながります!
◎選びたいチーズ
カマンベール、ブリー、ヌーシャテルなど
渡邉先生からの
ワンポイントアドバイス
たくさんの種類があるチーズですが、どのチーズにもすばらしい栄養素が豊富に含まれています。食べ過ぎず、自分の好みに合ったものを適量楽しんでみましょう。
食べるといいの?
究極のキレイのための
チーズタイム
チーズが私たちのキレイをサポートしてくれることが分かりました。こちらでは、そんなチーズのキレイ効果を最大限に活用できる食べ方をご紹介します。
毎日の食事に組み合わせる
朝食のパンと共に、昼食のパスタに振りかけたり、チーズを食事に上手に取り入れましょう。チーズは血糖値の上昇を抑制する低GI食品なので、血糖値を上昇させる米飯やパンと組み合わせていただくのがおすすめです。
野菜や果物と一緒に食べるのが◎
栄養が豊富なチーズですが、ビタミンCと植物繊維は含まれていないので、たっぷりの野菜や果物といただくのがいいでしょう。サラダに乗せたり、ドレッシングとして使うのも◎。
小腹が空いたらプロセスチーズを
お腹が空いてしまったときには、間食としてチーズをいただきましょう。プロセスチーズはコンビニなどでも入手できて、食べやすく満腹感もあるのでぜひお試しを。
食べ過ぎはNG
美容と健康にいいチーズですが、やはり食べ過ぎはよくありません。チーズの摂取量は、プロセスチーズで1日にだいたい30g、フレッシュタイプのものなら30~50gが適量と言われていますので、目安にしてみてください。
渡邉先生からの
ワンポイントアドバイス
とってもおいしくてついつい食べ過ぎてしまいそうなチーズですが、適量をいただくからこそ美容と健康につながります。チーズ単品だけをたくさん食べるのではなく、野菜や果物などヘルシーな食材と組み合わせて楽しみましょう。
超カンタン♪
チーズレシピ
チーズをそのまま味わうのも十分に美味ですが、ちょっとアレンジするだけでオシャレでおいしいメニューに早変わり!ひと手間かけてチーズをより一層おいしくいただいてみてくださいね。
根菜ラタトゥイユの
コンテチーズ焼き
- ① じゃがいも、大根、にんじん、れんこん、玉ねぎをひと口サイズにカット。ニンニクをみじん切り、ベーコンを1cm角にカットする。
- ② 厚手鍋に①とトマト水煮缶をつぶしながら入れ、塩・コショウをしてオリーブオイルを上から回しかける。
- ③ フタをして沸騰するまで中火、その後弱火で20分加熱したら、フタをはずして程よく水分を飛ばす。
- ④ ③を器に盛り付けて、細切りにした熟成コンテチーズをたっぷりのせ、オーブントースターでとろけるまで焼けば出来上がり。
【 POINT 】
根菜に含まれる豊富な食物繊維とビタミンが熟成チーズとタッグを組んだ最強美肌レシピです。
丸ごと玉ねぎのチーズスープ
- ① 玉ねぎの皮をむいて上下を切り落とし、カット面に十字の隠し包丁を入れる。
- ② 深めの耐熱容器に①を入れ、ラップをして電子レンジで10分間加熱する。
- ③ 鍋に水、コンソメ、塩を入れてスープを作る。
- ④ ②の容器に③のスープを注ぎ、溶けるタイプのチーズを乗せて塩・コショウをし、電子レンジで加熱して出来上がり。
【 POINT 】
簡単に出来るうえ、温かくて満足感もあり、チーズと玉ねぎの栄養をまるごといただけるのがうれしいですね!
カマンベールのオーブン焼き
- ① カマンベールチーズを箱から出し、表面の固い部分をナイフで薄く切り取る。
- ② アルミホイルや耐熱皿にチーズを乗せ、オーブントースターで約5~10分温める。
- ③ 中がとろとろになったら出来上がり。
【 POINT 】
カット量や焼き時間はお好みで。バケットやドライフルーツを添えたり、ハチミツやハーブを乗せたりとアレンジも楽しんでみましょう。
渡邉先生からの
メッセージ
チーズのおいしさ、そして美容・健康へのアプローチには目を見張るものがあります。おいしく食べられて、私たちをキレイにしてくれるチーズを、たくさんの女性に召し上がっていただきたいと思っています。
また、チーズの持つ長い歴史や各国の文化背景も大変魅力的です。チーズを知ることは、世界の食文化を愉しむことにつながります。
様々なチーズが、みなさまの食卓とキレイを彩ってくれることを願っています。