「瞳」がキラキラ輝いていると、表情が豊かになり、明るい印象を与えてくれます。 しかし、パソコンやスマートフォンの使いすぎなどからくる目の疲れやドライアイによって、瞳の輝きが失われていませんか?さらに疲れ目はクマやシワなど、目の周りに深刻な肌トラブルを起こすことも。 そこで今回は、眼科医の鎌田絵里子先生に、輝くような“うる瞳”のつくり方を教えていただきました。
- Profile
- 鎌田絵里子先生
- > 上野毛眼科
日本眼科学会認定専門医、日本抗加齢医学会専門医、視覚障害者用装具適合判定医師、日本緑内障学会会員、ドライアイ研究会会員。2004年東京慈恵会医科大学卒業。同大学付属柏病院などに勤務。現在は世田谷区の「上野毛眼科」にて、一人ひとりに合った専門的かつ丁寧な診察、分かりやすい説明で地域の眼科医療に貢献している。
疲れ目による
目元のトラブル
普段の何気ない行動が、知らないうちに目にダメージを与えている場合があります。目が疲れると、目元の血行不良や筋肉のコリ、涙の減少を引き起こし、トラブルにつながることも。原因を知り、目にやさしい環境をつくりましょう。
疲れ目の原因
パソコン・スマホ
画面を長時間見続けると、まばたきの回数が減少。目の表面が乾燥して、疲れ目を引き起こします。
視力
視力が悪いのに裸眼で生活したり、度数の合わないメガネやコンタクトを使い続けると、目に負担がかかります。
睡眠不足・ストレス
睡眠不足や過度なストレスにより体が疲弊し、その疲れのサインが目から表れることも。
食べ物
目の健康を維持するビタミンB群やビタミンAが不足すると、目が疲れやすくなることも。
疲れ目が引き起こす目元トラブル
クマ・くすみ
目元の血行が悪くなると、血液中の色素が赤黒く見え、それが目元の薄い皮膚の下から透けて、クマとして現れやすくなります。さらに目の周りがワントーンくすんでしまう原因にも。
シワ
長時間画面を見続けることで眼筋が凝り固まり、表情ジワになってしまうことも!
ドライアイ
まばたきの減少などで目の表面を覆っている涙の量が減少したり、質が不安定になると、目の細胞を傷つけてしまう恐れがあります。
鎌田先生からの
ワンポイントアドバイス
疲れ目は、その他にも、部屋の明るさや作業距離、エアコンなどによる乾燥など、様々な環境が原因となるケースもあります。なかなか症状が改善しない場合には、一度眼科を受診いただくと安心ですね。
うる瞳復活!
ホットタオルケア
目元の血行不良が、疲れ目の大きな原因です。
ホットタオルケアで目元を血流を良くして、疲れた瞳を癒す方法をご紹介します。
冷めにくい!ホットタオルのつくり方
① 厚手のタオルを2枚用意する
おしぼりや薄手のフェイスタオルでは、すぐに熱が冷めてしまいます。しっかりした厚みのあるタオルを使いましょう。
◎折りたたみ方
ロールケーキの形につくると温度にムラが出ません。タオルを縦半分に折って、真ん中でふたつ折りにして巻きましょう。
② タオルを濡らして温める
タオルを十分に水に濡らしたら、しっかり絞って温めます。先に温めたタオルを適温用、次に温めたタオルを保温用にします。
◎電子レンジで
レンジやタオルの厚みによって変わってきますが、700Wで1~2分温めます。高温になるのでやけどに十分注意してください。
◎お湯で
42℃程度のお湯で濡らして、絞ってすぐに出来上がります。冷めたらまたお湯につけて温めましょう。
③ 適温タオルを顔にあて、その上に熱めの保温用タオルを載せます
温めた1枚目のタオルを広げて冷まして適温にします。2枚目のタオルはやけどしない程度に冷まして、顔に乗せた1枚目のタオルの上からかぶせると温かさが長持ちします。
追加でトライ!
プラスαでさらに効果アップ!
冷たいタオルと交互に
冷蔵庫で冷やしたタオルを用意しておき、ホットタオルと交互にあてると、さらに血行が促進されて◎です。
首や肩も温めて
顔だけではなく、首や肩もホットタオルで温めると、肩周りの血流も良くなり、リラックス効果も高まります。
鎌田先生からの
ワンポイントアドバイス
目が炎症をおこしていたり、充血している場合は、温めることにより余計に症状が強くなってしまうため、冷やす方がよいこともあります。ご自身の状況に合わせたケアを行いましょう。
瞳が輝く!
美眼ツボ押しケア
ツボ押しケアで目元の筋肉をほぐして、疲れた瞳に輝きを取り戻す方法をご紹介します。見る人が思わず吸い込まれるような、うる瞳を目指しましょう!
即効性アリ!美顔ツボ押しケア
ツボの押し方
指の腹を使って3~5秒ほど時間をかけて、優しくゆっくりと押しましょう。体の力を抜いて、「ゆっくりと押してゆるめる」を3~5回ほど行うとよいでしょう。
うる瞳で女子力アップ!
晴明(せいめい)
目頭のやや上にあるツボ。お疲れ瞳を即効で回復してくれるだけでなく、頭痛や目の痛みをやわらげてくれます。
瞳キラキラクリア!
攅竹(さんちく)
目頭と鼻の付け根にあるツボ。近視やドライアイなどの眼病に作用し、「眼医者いらず」のツボと呼ばれているそう。
充血スッキリな瞳!
瞳子膠(どうしりょう)
目尻の外側の骨の窪みにあるツボ。目の充血やクマを軽減させ、瞳をさらに美しく見せてくれます。
追加でトライ!
プラスαでさらに効果アップ!
こめかみのツボをプッシュ
こめかみにある太陽(たいよう)というツボは、目の周りや頭もスッキリとする上、老眼予防にもいいのだとか。
首の後ろのツボをプッシュ
後頭部の髪の生え際にある風地(ふうち)というこのツボは、視力回復や肩こりの改善も期待されます。
鎌田先生からの
ワンポイントアドバイス
毎日の生活に取り入れやすいツボ押しは、目が疲れたな、と感じたときに行ってみるといいですね。
気持ちがいいと感じる範囲で、眼球をおさえつけないように気を付けて行ってみましょう。
うる瞳のために
できること
うる瞳でいるためには、目にいい環境を保つことが大切です。日々の生活習慣を少し見直してみると、美しいうる瞳をキープすることができるはずです。
目を使いすぎない
パソコンなどで長時間作業を行った後には、必ず休憩をはさんで目の筋肉を休めましょう。休憩中にスマートフォンを触ると目が休まりません。遠くをボーッと見る、目を閉じるなどして目をいたわってあげましょう。
目を乾燥させない
目の乾燥を防ぐには、目薬が効果的です。最近では様々な治療薬が開発されているので、眼科専門医に相談するとよいでしょう。また、意識してまばたきの回数を増やすのも有効です。
目にいいものを食べる
栄養バランスのいい食事をするのはもちろんのこと、ビタミン、ミネラルが豊富な緑黄色野菜や果物、コラーゲンを多く含んだ食べ物を積極的に取り入れましょう。
鎌田先生からの
メッセージ
毎日の生活で目を酷使している私たちにとって、目の疲れの改善は大きな課題です。
しかし、生活の中で少し意識するだけで、疲れ目のケアはもちろん、みずみずしく美しい“うる瞳”をつくることができるのです。
顔のお手入れを同じように、目のケアにも気を配ってみてくださいね。
また、疲れ目がなかなか改善しなかったり、だんだん症状がひどくなる場合は、他の病気が隠れていることも考えられます。
そういう場合には、「たかが疲れ目」と考えずに、きちんと眼科を受診するようにしましょう。