女性にとって、夏のお悩みNo.1といえば「汗」によるメイク崩れやニオイではないでしょうか?夏の汗は、放っておくと雑菌が発生してニオイの元になったり、皮膚の保湿成分が流れ落ちて肌を乾燥させてしまうことも。そこで今回は、四谷三丁目皮膚科院長の山田美奈先生に、夏の汗の攻略術をご指南いただきました。汗をかくメリットや抑制方法、汗をかいた後の対策など、夏のキレイに欠かせない方法をご紹介します。
- Profile
- 山田美奈先生
- > 四谷三丁目皮膚科
四谷三丁目皮膚科院長。東京女子医科大学大学院卒業、東京女子医科大学皮膚科学教室にて、皮膚科学全般を学ぶ。在籍中に同愛記念病院、済生会栗橋病院勤務を経て、現在に至る。シミ、ホクロ、脱毛のレーザー治療、ケミカルピーリングなどの美容皮膚科治療に対して実績あり。
知っておきたい
汗のQ&A
「汗をかくと痩せる?」、「汗そのものがクサい?」など、私たちが思っている汗に関する常識は本当?今まで思い込んでいた汗にまつわるアレコレを検証してみました。
- Q汗はたくさんかくほうがいいの?
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A汗は量より「質」が大事!皮膚の表面温度が上がって急にかく大量の汗ではなく、運動や半身浴などで体の芯が温まり、体の奥底からじんわりとかく汗は健康・美容にとっていい汗と言われています。量より質のいい汗をかくことが大切です。
- Q水分を控えると汗をかかない?
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A汗の量に影響はなく「尿が減ります」汗をかかないようにと水を控えても、汗はあまり減らずに尿の量が減ります。水分を控えすぎるとむくみや熱中症などの弊害もあるので、適度に水分補給を行いましょう。
- Q汗はそもそもクサい?
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A汗自体は無臭、「放置するとにおいます」かきたての汗は、本来は無臭です。汗を長時間放置しておくと、皮膚上で菌が繁殖してニオイが発生します。汗をかいた後はすぐに拭くなど、皮膚を清潔に保つことが大切です。
- Q汗のニオイは人によって違う?
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A汗をあまりかかない人の汗は「クサい!」汗をかかない人は汗腺機能が低下します。そうすると、体内のアンモニアや尿素などのニオイ成分が汗に混じるので、ニオイが生じてしまいます。適度に汗をかく習慣をつけましょう。
まだまだあった!
知られざる汗常識
疲れが溜まると汗が臭くなる!
体が疲労すると肝臓の機能が弱って毒素を体外に排出しにくくなるため、汗にニオイが発生する場合があります。
肉をよく食べる人は汗をかきやすい!
肉類に含まれるたんぱく質は体内でエネルギーになる時に熱を発します。よって、体温が上がり、汗も出やすくなります。
大人ニキビと汗は無関係とはいえない!
大人ニキビの主な原因は、汗ではなく肌の乾燥にあります。適度な汗は肌に◎ですが、汗をかくと毛穴の出口が狭くなり、ニキビが悪化することがあります。
山田先生からの
ワンポイントアドバイス
汗について正しく理解することで、「いい汗をかこう」という気持ちになりますよね。汗をかくことは「キレイに近づくチャンス」と、とらえてみるといいかもしれません。
汗を味方にする
ステキなメリット
女性にとって「汗」というと、どうしてもネガティブなイメージを抱きがちですが、実はキレイを促進してくれる心強い存在でもあるのです。汗がもたらすステキなメリットを知ることで、気持ちよく汗をかいてみましょう!
抗菌作用で美肌に近づく!
汗をかくと、毛穴の余分な皮脂や汚れが一緒に流れ出し、肌の炎症の元となる雑菌を排出してくれます。また、汗の持つ抗菌作用も肌を健やかにします。
毒素を排出してデトックス!
いい汗をかくことで、体内に溜まっている老廃物や毒素を体外に吐き出してくれます。汗をかいて体内をお掃除してスッキリしましょう。
芯から汗をかいて代謝アップ!
体の芯から温まってかく汗は、代謝をアップしてくれます。代謝がよくなると、低体温が解消されたり、ダイエットにもつながったりといいことずくめです。
イライラ解消でリラックス!
体の奥からしっかりと汗をかくと、爽快感と共に心も体もスッキリします。また、いい汗をかくことで深いリラックス状態をもたらしてくれます。
まだまだあった!
汗をかくメリットとは
血液サラサラに
じんわりといい汗をかくと、血液の循環がよくなり、血めぐりのいい体に近づきます。
体温を調整する
人は汗をかくことで体温を調整しています。汗をキチンとかくことで、低体温や冷え性を遠ざけてくれます。
疲れを取り除く
いい汗は疲労回復にも◎。血行がよくなることで疲労物質を流し、必要な栄養素を運んでくれます。
山田先生からの
ワンポイントアドバイス
上手に汗をかくことは、美容と健康にさまざまなメリットを与えてくれます。汗をかきやすいこの季節だからこそ、上手に汗と付き合っていきましょう。
メイク崩れとニオイの
汗対策
汗をかくことはいいことだとは分かったものの、メイク崩れやニオイなどは気になってしまうもの。そこで、いい汗をかきつつ、毎日をキレイに気持ちよく過ごせる対策をご紹介します。
朝
メイク崩れ対策
メイク前の保湿ケアは必須
肌が乾燥すると皮脂分泌が過剰になりメイクが崩れやすくなるので、しっかりと保湿を。Tゾーンが気になる人は収れんケアで引き締めるのも◎。
【 POINT 】
化粧下地を塗る前は、保湿ケアが肌になじむまで少し時間をおくと、化粧もちが違ってきます。
ニオイ対策
デオドラント剤を上手に使う
汗の量が気になるなら制汗作用、ニオイが気になるなら殺菌作用がメインのデオドラント剤を使いましょう。
【 POINT 】
デオドラント剤は肌に直接塗るタイプの方が、より肌に密着しやすく効果が期待できます。
汗をかいた後
メイク崩れ対策
正しいメイク直しでもう崩さない!
汗や皮脂をティッシュオフ後、崩れた部分に美容液を付けて整えます。仕上げはパウダーで直した箇所のみ押さえましょう。
【 POINT 】
あぶらとり紙は必要な皮脂まで吸収してしまうことも。ファンデーションがむらになりやすいので、美容液は指先で軽くポンポンが鉄則です。
ニオイ対策
こまめに拭き取る
放置した汗がニオイを発するので、汗をかいたらすぐに拭き取りましょう。
【 POINT 】
ただし、汗を完全にふき取ってしまうと体温調節の役割が半減してさらに汗をかくことに。肌がしっとりとなるように、濡らしたタオルやウェットティッシュで汗をぬぐいましょう。
夜
メイク崩れ対策
しっかり&やさしく徹底クレンジング
日やけ止めなどを乗せた肌は入念な洗顔をした後の保湿が必須です。溜まった汚れを取り除き、汚れが溜まらないようにやさしくケアしましょう。
【 POINT 】
ベタつくからと基礎化粧品の量を控えると、肌がうるおい不足になり皮脂が多く分泌されるので注意。
ニオイ対策
過剰なボディウォッシュは控えて
体を洗い過ぎると、より多くの皮脂が出てニオイの元に。気になる部分は泡立てた石けんの泡を使ってやさしく洗いましょう。
【 POINT 】
タオルなどでゴシゴシ洗うと、汗腺を傷めてしまう可能性もあるので気を付けましょう。
山田先生からの
ワンポイントアドバイス
汗対策には毎日のケアが大切です。特別なことをするのではなく、日々のお手入れや過ごし方を少し工夫するだけで、毎日が快適になりますよ。
キレイに汗をかく方法
汗への対処法はもちろん、自分がかく汗自体をキレイにすることが健康と美容にもいい影響を与えてくれます。今年の夏こそ、キレイに汗をかく方法を毎日の生活に取り入れましょう。
適度な運動と半身浴
汗をかくことに慣れることが大切です。運動や半身浴などで汗腺を鍛えると、普段からいい汗がかけます。
食生活をプチ改善
腸で分解された食べ物のニオイが体臭と関係あることも。整腸作用のある野菜や果物を積極的に食べましょう。
エアコンに頼り過ぎない
エアコンを多用すると汗をかきにくくなります。冷房に頼り過ぎず、使う時は外気との温度差を5℃以内に抑えて。
山田先生からの
メッセージ
エアコンや運動不足などで汗をかかない生活に慣れてしまって、夏でも汗をかかない方が増えているようです。
敬遠されがちな汗ですが、実はしっかりといい汗をかくことがキレイへの近道なのです。
汗をかきにくくなっている方も、弱っていた汗腺を積極的に開くことで美肌へ近づきます。
汗をかく絶好のチャンスでもあるこの季節を活用して、キレイのパートナーである汗を最強の味方にしてくださいね。