日本でお昼寝を習慣にしている人は少ないかもしれませんが、スペインではお昼寝はシエスタと言われ、一般的な習慣として人々の生活に取り入れられています。
実は、お昼寝には美容や健康面のほか、ダイエットにも効果があると言われ、最近日本でも注目を集めています。
そこで今回は、快眠セラピストの三橋美穂先生に、シエスタ(お昼寝)のメリットと上手な取り入れ方について教えていただきました。
- Profile
- 三橋美穂先生
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快眠セラピスト。寝具メーカーにて、商品開発や枕のアドバイザー育成、マーケティング、広報などを経験。研究開発部長を経て2003年独立。心・体・睡眠の3つの環境を整えることが快眠の柱と考え、睡眠とストレス、食事、色彩、体操、呼吸法、寝具などとの関わりについて研究。講演や執筆、個人相談を通して、眠りの大切さや快眠の工夫、寝具の選び方などを提案している。
日本の最新
シエスタ事情って?
「堂々とお昼寝ができるのはスペインだから…」、そう思っている方も多いかもしれません。しかし、最近ではスペインのみならず、諸外国や日本でもシエスタの有効性が認められてきています。さっそくシエスタの最新事情をのぞいてみましょう。
そもそも、シエスタってどんなもの?
シエスタとは、お昼寝も含めた休憩そのものを指します。昼食後の2~3時間程度をお昼寝や音楽を聴くなど好きなようにリフレッシュしてゆっくりと過ごします。
日本でもお昼寝文化が浸透中!
諸外国同様、最近では日本でも、業務効率や従業員のパフォーマンスの向上のために企業がお昼寝を推奨したり、気軽に利用できるお昼寝サロンが続々とオープンしています。
日本の企業も
「シエスタ制度」に注目!
大企業も認めた「パワーナップ」
「ナップ」とはお昼寝のこと。15~20分程度仮眠を取るパワーナップは、グーグルやナイキなどの大企業でも奨励されています。
採用している日本企業は?
埼玉県のリフォーム会社ではデスクでの短い仮眠、岐阜県庁では13~15時の間、時間単位での有給休暇取得が認められています。
三橋先生からの
ワンポイントアドバイス
パワーナップ(お昼寝)の効果は、NASAの研究などによっても科学的に証明されています。ランチ後によくある憂鬱な眠気や体のだるさから解放され、シャキッとした気分で午後の仕事に取り組めますよ。
正しいシエスタの
ススメ
お昼寝は、睡眠不足の人だけではなくすべての人にオススメ。お昼寝をすると午後を元気に過ごせる上、夜の睡眠の質が高まります。お昼寝で心身をリフレッシュさせて、午後の活動量と質をアップしましょう。
正しいお昼寝の3つのPOINT
①お昼寝は12~15時の間に
体内時計が正常に働いていると14~15時は眠気が強くなります。そのタイミングでお昼寝できるといいのですが、仕事の都合で難しいことも。ランチを少し早めに切り上げてお昼寝すれば、午後の眠気に影響されず、仕事に集中できます。
②お昼寝の時間は20分以内が基本
20分以上長く眠ると、体が眠りから活動に切り替わりにくくなってしまい、まだ睡眠が続いているかのように、しばらく頭がぼんやりします。「しっかり眠った!」という感覚がなくても脳は休まっているので安心してください。
③お昼寝の前にはコーヒーを
「コーヒーを飲んだら眠れないのでは?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、お昼寝の前にコーヒーを飲んでおくと目覚めがスッキリします。カフェインの覚醒作用は飲んでから20~30分後に効き始めるので、お昼寝にはちょうどいいのです。
まだまだあった!
ランチタイムシエスタのコツ
横にならない
体を横たえると、どうしても眠りすぎてしまいます。デスクや休憩所で座った状態でお昼寝しましょう。
体を締め付けるものはゆるめておく
時計、ベルト、靴などは、可能であれば外したり脱ぐなどして体を開放してあげるとよりリラックスできます。
タイマーをセットする
安心してお昼寝するために、タイマーを活用しましょう。長い時間眠らないので、バイブレーションや小さなアラームでも大丈夫です。
三橋先生からの
ワンポイントアドバイス
お昼寝をすることで、午後の眠気が改善されて、仕事への集中力やヤル気がアップします。夜の睡眠をしっかりとった上でのサポートとして、毎日の習慣にして健康的な生活に活かしていきたいですね。
シエスタで
集中力・仕事力アップ
正しいお昼寝は、午後への活力となることが分かりました。では、具体的に私たちにとってどんなメリットがあるのかをご紹介します。
エネルギーをチャージして体力回復
疲れたままで仕事を続けると、体も辛くなりストレスもたまります。お昼寝は体力を回復させ、気持ちを切り替える絶好のチャンスです。
頭の中を整理整頓してリセットできる
お昼寝は頭の中を整理してくれます。仕事や人間関係などのイライラも、お昼寝を挟んで一旦リセットして、クリアな頭で考え直すことができます。
集中力がアップして仕事がはかどる
お昼寝をすると、仕事や勉強に必要な情報を引き出しやすくなります。また、ひらめきやアイデアを得やすい状態にもなるのです。
三橋先生からの
ワンポイントアドバイス
睡眠不足の状態であれこれ必死に頑張ったとしても、あまり効率は上がりません。夜にキチンと眠ることはもちろん、お昼寝を上手に取り入れて仕事力を上げていきましょう。
シエスタで女子力アップ
お昼寝は、脳だけではなく私たちの体にもいい影響があります。もちろん、女性の「キレイ」も引き出してくれますから、積極的にお昼寝をしてみたいですね。
美肌作りの準備
美肌の元になる成長ホルモンは、深い眠りで分泌されます。夜の上質な睡眠のために、お昼寝で睡眠のリズムを整えましょう。
食欲をコントロール
睡眠不足になると食欲を増進するホルモンが増加します。夜の睡眠とお昼寝で睡眠不足を解消して食欲を抑制しましょう。
気持ちが前向きに
眠たいままだと、「できなくても仕方ない」などと意欲がそがれます。お昼寝のリフレッシュがあなたの午後の笑顔を輝かせます。
三橋先生からの
メッセージ
上質な夜の睡眠があってこそ、お昼寝の効果もアップします。
お昼寝は積極的に取りたいのですが、夜眠れなくなってしまっては元も子もありませんよね。
美しい肌、艶やかな髪、瞳の輝き、好奇心、やさしさ、集中力、記憶力、判断力、ひらめき、自信。これらはすべて正しい眠りによってもたらされます。
睡眠は人生の土台です。眠りをコントロールして、輝きのある人生を手に入れましょう。