パサつき、静電気…乾燥ダメージを防ぐ冬のヘアケア

空気が乾燥する秋冬は、肌だけでなく髪のうるおいも失われがち。パサつく髪を放っておけばダメージは増す一方…。だからこそ、いますぐ対策を始めましょう!今回はヘアメイクアップアーティストの砂原由弥さんに、乾燥によるダメージを防ぐ基本のヘアケアや、うるツヤ髪をキープするポイントをうかがいました。

上田恵子先生
Profile
砂原 由弥さん

「UMiTOS Tokyo Aoyama」「海と砂原美容室」「ヘアコンシェルジュFuchibe」代表。サロンワークのほか多くの著名人のヘアメイクを担当、CM、雑誌、広告など多方面で活躍。認定福祉美容介護士、管理美容師、内閣府認定メンタルカウンセラーの資格を持ち、講師としても各界から高い支持を得ている。著書に『なりたい自分は髪でつくる』(誠文堂新光社)、『傷み、うねり、パサつき髪でも変われる!基本ケアだけでキレイな髪になれました』(インプレス)ほか。

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CHAPTER 1
乾燥だけじゃない?

冬に起こりやすい
髪トラブル

現在の髪の状態は、半年前の生活状況が反映されたもの。つまり、秋冬の髪のトラブルは、春夏に浴びた紫外線や不規則な生活が影響していると考えられます。そこに乾燥が加わることで、さらにダメージが加速しやすい状態に。

抜け毛

「秋になって抜け毛が増えた」と感じることはありませんか?これは、夏の疲れや、頭皮に蓄積した紫外線ダメージが主な原因。この抜け毛トラブルが長引くと、頭皮の状態がさらに悪くなり、冬の枝毛・切れ毛につながります。

パサつき・静電気

乾燥で髪がもつれたりからんだりすると、髪同士がこすれて静電気を生じやすくなります。特に細い髪は摩擦に弱く、静電気が起こりやすいので要注意。髪表面のキューティクルが傷んで、パサつきが加速する悪循環に。

髪のうねり

湿気の多い時期は髪がうねって困る、という方は少なくないはず。ですが、乾燥によってもうねりは出やすくなります。水分が失われた髪は膨張して広がり、クセが出て思うようなスタイリングができないことも。

頭皮のかゆみ

冬は頭皮も乾燥し、気温の低下で血行も悪くなるため、頭皮環境が悪化してかゆみが出ることがあります。ただ、かゆいからといってシャンプーでゴシゴシ洗いすぎるのはNG。さらに頭皮にダメージを与えてしまいます。

CHAPTER 2
日々の習慣に

うるおいを守る
デイリーケア

美しい髪を育むには、髪の毛の保湿だけでは不十分。髪の土台となる頭皮を清潔に保ち、あわせて髪の乾燥対策を行うことが大切です。といっても、難しいことは一切ナシ。いつものケアをちょっと見直すだけで髪のコンディションは改善します。

入浴前のブラッシングを習慣に

ブラッシングには血行促進やマッサージ効果のほか、頭皮の常在菌を含んだ皮脂が髪に行き渡ってツヤが出たりと、うれしい効果がたくさん。汚れも浮きやすくなるので、入浴前の習慣として取り入れて。ブラシはクッション性のあるパドルブラシがおすすめです。摩擦を避けるため①毛先だけ②中間から毛先③根本から毛先、の順で行いましょう。

予洗いは丁寧に

「予洗い」とは、37℃程度のお湯で髪を洗うこと。汚れの大半はこれで落とせます。手指をやさしく動かしながら、えりあしから頭頂、その後各方向からシャワーを当てて、丁寧に頭皮を洗い流します。頭頂部は勢いよくシャワーを当てると薄毛の原因になることもあるので、地肌にシャワーノズルを密着させて流すとよいですよ。

毎日のシャンプーは必要ナシ

予洗いをきちんとすると、少量のシャンプーできめ細かく泡立ち、余計な摩擦を与えることなく洗えます。ただ、洗いすぎは頭皮に必要な皮脂や常在菌まで取り去ってしまうので、冬のシャンプーは2日に1回程度でもOK。スタイリング剤を使っていない日は、予洗いとコンディショナーだけで済ませるなど、頭皮の皮脂や常在菌とうまく付き合うことが美髪づくりの近道です。

お湯につかって体もしっかり温める

体が冷えると頭皮の血流も悪くなり、頭皮や髪を傷める一因となります。冬は、体を芯から温め、ストレスから身を守るたんぱく質を増やす「ヒートショックプロテイン入浴」がおすすめ。体調と相談のうえ、40℃のお湯に10分(41℃なら10分弱)つかり、入浴後は衣類を身に着け、暖かい部屋で最低10分間体を保温します。体力に自信のない方は半身浴でもOK。無理はせず、週に1〜2回を目安にしましょう。水分補給も忘れずに。

アウトバストリートメントはマスト

入浴後はタオルで髪をやさしくはさんで水気を取り、なるべく早くドライヤーをかけましょう。乾きにくい髪の根元や耳の後ろにしっかり温風を当てると、ムラなく全体が乾きます。ドライヤーの前には必ずアウトバストリートメントを。髪の毛先を中心に、保湿力の高いオイルやミルクをなじませて。ダメージ修復効果に優れたタイプなら、寝ている間に浸透し、朝のスタイリングも楽になります。

CHAPTER 3
うるツヤキープ

もうひと手間で
さらに美髪!

時間に余裕があるときは、頭皮マッサージやトリートメントパックなどのスペシャルケアを。いずれも入浴時や家事の合間にでき、続けやすいものばかりなので、ぜひ取り入れてみて。合わせて、積極的に摂りたい栄養素もご紹介します。

気分もスッキリ!頭皮マッサージ

頭皮の血流がよくなることによって、髪のうねりや抜け毛の予防をはじめ、顔のリフトアップ効果も期待できます。

  1. ①両方の手のひらを使って頭皮全体をほぐします。
    耳上・耳上前後・側頭筋→はさんでほぐす
    耳後ろ・えりあし・首→やさしく押すようにもんでほぐす
    前頭部→生え際からほぐす
    頭頂部→両手を重ねて前後左右に動かす
    ※それぞれ3〜5回程度行いましょう。
  2. ②親指以外の4指を使って、生え際から頭皮を引き上げます。耳上、耳後ろ、こめかみと少しずつ位置を変えながら、頭頂部に向かって小さく円を描くように引き上げていきます。
  3. ③両手の指先を使い、息を吐きながら、頭頂の「気持ちいいと感じる部分」を1カ所につき3秒押します。

ほったらかしでOK!
トリートメントパック

いつも使っているトリートメントやヘアミルクを通常の倍量ほど手に取り、地肌を避け、乾いた髪の毛先中心に塗り込みます。髪が長い人はクリップなどでまとめ、蒸しタオルで巻くとさらに効果アップ!1時間ほど放置してシャワーで流します。乾いた髪に塗布するので、放置中も家事や読書など思い思いに過ごせるのが魅力。週末のリラックスタイムに取り入れてみて。

髪のために摂りたい栄養素

ツヤのある美髪をつくるには、バランスのよい食生活が不可欠です。特に髪の主成分でもあるタンパク質は積極的に摂っておきたい栄養素。肉や魚、卵、大豆製品などを意識的に摂るよう心がけましょう。 また、ビタミンや亜鉛など、以下の栄養素(食材)も髪や頭皮によいとされています。おやつには手軽に摂れるナッツがおすすめ。

◎ビタミンB2

鶏・豚・牛レバー、うなぎ

◎ビタミンE

アーモンド、オリーブオイル、アボカド、かぼちゃ

◎亜鉛

牡蠣、煮干し、納豆

◎ビオチン

きのこ類、鶏レバー、落花生

◎銅

牛レバー、干しえび、ココア、湯葉

◎マグネシウム

あおさ、乾燥わかめ、刻み昆布

砂原さんからのメッセージ

砂原さん同じ髪でも、根本と毛先は別モノと捉えることがヘアケア的には重要です。毛先は乾燥して傷みやすいので、過保護に扱ってあげましょう。ブラッシングを頭頂からではなく、毛先から少しずつ行うだけでもダメージが軽減できるはず。肩よりも髪が長い方は、毛先にだけトリートメントをなじませ、油分を補った上でシャンプーするとよいですよ。 バランスのよい食事や質のよい睡眠など、規則正しい生活も大切ですが、すべてを満たすのは大変なこと。できる範囲で取り入れてみてくださいね。

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2024年 10月31日(木)~ 11月30日(土)まで

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