誰でも顔の左右差はあるもの。けれど、生活上のクセなどでゆがみが進行すると、あごが曲がったり顔が大きく見えたり、印象が大きく変わってしまうんです!実は多くの人が悩んでいる「顔のゆがみ」の原因や改善方法について、専門サロンの院長として日々施術にあたっている高野直樹さんにうかがいました。
- Profile
- 高野 直樹さん
- > ビコツゼロ
小顔・顔のゆがみ専門サロン「ビコツゼロ」院長。整骨院・リラクゼーションサロンの経験を経て数多くの手技を習得。 多数の整骨院の技術指導にあたりながら現場に立ち、10年間に延べ6万人以上のクライアントを診る。独自の技術と理論を持つ「骨の職人」として、OL、主婦からスポーツ選手、医師、芸能人まで幅広い支持を得ている。
顔のゆがみは
キレイの敵!
顔は体の映し鏡であり、顔がゆがんでいれば骨盤や背骨など、必ず体にもゆがみが生じています。それだけに影響は全身に及ぶことに!見た目の問題はもちろん、体の健康にとっても、ゆがみがもたらすデメリットは少なくありません。
メイクしづらい
眉の高さや長さ、チークを入れる位置が定まらなかったり、メイク後の顔がどこかチグハグに見えることはありませんか?顔のパーツが左右非対称だと全体のバランスが悪くなり、メイクも決まらなくなってしまいます。
顔が大きく見える
顔のゆがみが生じるとあご周辺の筋肉が固く緊張してエラが張り、顔が広がって大きく見えます。またリンパの流れも滞りやすくなり、むくみでフェイスラインが崩れ、二重あごになってしまうことも。
顎関節症のリスクが高まる
あごは体のゆがみの影響を強く受けるパーツ。体のゆがみを放っておくとあごのゆがみも進行し、顎関節症のリスクが高まります。
さまざまな不調の原因に
体の中心にある骨盤がゆがむと、全身の骨格にもゆがみが生じます。骨を支える筋肉のバランスが崩れ、緊張して固まってしまうことで首こり・肩こりや腰痛、さらには頭痛の原因に。自律神経も乱れやすくなります。
顔のゆがみが
起こる原因
顔や体のゆがみは、日常的な習慣や体の使い方のクセから起こるケースがほとんど。まずはゆがみ具合をセルフチェックして、その原因を探っていきましょう。
顔のゆがみ
チェックシート
※鏡で見る顔は見慣れているぶんゆがみが分かりづらいこともあるので、正面・真顔の自撮り画像を左右反転させてチェックするのがおすすめ。
- 眉や目の高さが左右で違う
- ほお骨が以前より張ってきた、張り方に左右差がある
- メガネをかけると斜めに傾く
- 上の前歯と下の前歯の中心ラインがズレている
- 口角の高さが左右で違う
- フェイスラインに左右差がある
メガネが傾くのは左右の耳の高さが違うため。耳の周りにある側頭骨の位置がズレると、高さが変わってしまいます。また、前歯の中心ラインがそろっていない場合、下あごの骨がゆがんでいる可能性があります。1つでも当てはまれば要注意!次に挙げるNG習慣が、ゆがみを引き寄せているのかもしれません。
足を組む、横座りをする
デスクワークなどではつい足を組みがちですが、骨盤がゆがみ、背骨、頭蓋骨の順にゆがみが進行していきます。また、女性に多い「横座り」は、もっとも骨盤をゆがませる座り方。家など人目が気にならない場所であれば、あぐらをかくとよいでしょう。
歯をくいしばる
寝ている間や集中しているとき、食いしばりが無意識のクセになっていませんか?そしゃく時に使う咬筋(こうきん)と側頭筋が固く緊張して、骨が引っ張られ、あごのゆがみにつながります。また、使いすぎた筋肉は収縮して短くなって膨張するため、こんもりエラ張り顔に。
片側だけで噛む
食事のときに噛みやすい方の奥歯でばかり噛んでいる人は意外と多いはず。片側だけでそしゃくし続けるとあごがゆがみ、目や口角の高さに左右差が出やすくなります。さらに、一方のそしゃく筋のみを使うことでエラの張り方にも左右差が生まれ、フェイスラインも崩れてしまいます。
うつ伏せで寝る
うつ伏せ寝は、呼吸をするために必ず左右どちらかに顔を向ける体勢になり、無意識のうちにその人にとっての「向きやすい側」に頭を傾けています。このクセが頚椎(首の骨)をゆがめる原因に。頚椎はあごに関係する筋肉群と連動しているため、あごの骨が引っ張られてゆがみが生じます。
片足重心で立つ
左右どちらかの足に重心をかけて立つ「片足重心」も、体の左右差を生む一因です。電車に乗っている時や長時間立ちっぱなしでいる時に出やすいクセですが、この姿勢を続けていると骨盤や頚椎がゆがみます。
ゆがみ改善ホームケア
顔のゆがみには生活習慣の見直しが大切ですが、ホームケアをプラスするのが改善への近道。今回は、顔のどんなゆがみにも共通して関係する、咬筋と側頭筋のケアを紹介します。ポイントは、緊張して固くなった筋肉を「ゆるめる」こと。エラ張りが解消されて小顔も叶うかも!まずは2週間続けてみて。
❶咬筋をゆるめる
- ①左手の人差し指を上の歯に当て、右の奥歯に向かって指を歯に沿わせながら差し込みます。
- ②硬い部分に当たったら、指を1本分外側にずらし、さらに少しだけ奥に差し入れます。
- ③指が当たったところが咬筋です。咬筋を押さえたまま、脱力して深呼吸を5回繰り返します。終わったら逆側も行います。
ポイント
- ・強く押さないこと。指が触れていれば筋肉はゆるみます。
- ・フェイスラインに左右差がある場合、エラが張っている側だけをゆるめるとよいでしょう。
- ・位置がわかりづらい場合は、指を差し込んだ状態で歯を食いしばってみてください。ピクピクと動く部分が咬筋です。
- ・1日1セット×3回(朝・昼・晩など間隔をあけて)を目安に行いましょう。入浴時は筋肉がゆるみやすく、指もすぐ洗えるのでおすすめです。
❷側頭筋をゆるめる
- ①両手をグーの形にして、耳の上から指3本分上のところに置きます。
- ②少し圧を加えながら、第二関節の部分でグリグリと小さく円を描くようにほぐします。前後に移動させながら、30秒ほど行えばOK。
ポイント
- ・力を入れすぎると筋肉が緊張して逆効果に。痛気持ちいい力加減で行いましょう。
- ・目安は1日1セット×3回。❶のケアとセットで行うとよいでしょう。
高野さんからのメッセージ
顔のゆがみや首こり、肩こりのほとんどは筋肉の固さが関係していると考えられます。筋肉が固まらないようにするには、長時間同じ体勢を取り続けないことがとても大切。デスクワークの方は、30分に1回、10秒でよいのでこまめに動いてみてください。
顔のゆがみに悩んでいる方は、今とても増えています。体のバランスをきちんと整えれば改善に向かうので、困ったら専門家を頼ることも視野に入れてみてくださいね。