肌もココロもキレイにリフレッシュ!毎日に瞑想を取り入れよう

慌ただしく過ぎてゆく日々の中で、心が落ち着かずザワザワする…そんな時には、瞑想を取り入れてみませんか?瞑想というと難しい印象があるかもしれませんが、実は日常生活で簡単に実践できるんです。今回は精神科医・産業医の奥田弘美さんに、ストレスや不安を手放し、心を整える「マインドフルネス瞑想」の内容や方法についてうかがいました!

Profile
奥田 弘美先生

産業医・精神科医、作家。首都圏約20か所の企業で、働く人の心身のストレスケアに携わる一方、都内精神科病院・クリニックで心のケアを担当。作家活動、講演活動も精力的に行い、著作は20冊以上に上る。近著に『会社がしんどいをなくす本』(日経BP社)、『1分間どこでもマインドフルネス』(日本能率協会マネジメントセンター)など。

CHAPTER 1
すぐやりたくなる!

瞑想のメリット

瞑想の研究は世界中で進んでおり、さまざまな効果が明らかになってきています。近年では一部の医療機関で、うつ症状や不安、不眠の改善などに心理療法のひとつとして導入されているケースもあります。

ストレスや不安の緩和

過去にあったことを思い出してクヨクヨ、イライラしたり、この先のことを考えて不安になったりと、心が過去や未来を飛び回っていると、ネガティブな思考にとらわれてしまいがち。瞑想はそうしたストレスや不安を生む思考から離れ、心の安らぎを取り戻す効果があります。

集中力アップ

「今晩は何を食べよう」「あのメールの返信をまだしていないな」など、ボーッとしているようでも脳内では常にさまざまな雑念が行き来しているため、それによって集中力も低下します。瞑想でこうした雑念を遮断することで、本来取り組むべき物事に集中しやすい状態になります。

睡眠の質の向上

瞑想は全般的に自律神経を整えます。特に深呼吸瞑想(次項参照)はリラックス状態をつくりやすく、寝る前に行うと深い睡眠が期待できます。睡眠の質が上がると、肌状態がよくなるメリットも。

美肌

化粧品を使った瞑想(次項参照)を取り入れることで、毎日のスキンケアのステップを丁寧に行う習慣が身につき、美肌に近づきます。

CHAPTER 2
初心者もOK!

「マインドフルネス瞑想」
をやってみよう

「マインドフルネス瞑想」のルーツはブッダの教えにあり、修行僧の心の修練法として取り入れられてきました。1979年にマサチューセッツ工科大学のジョン・カバットジン教授が医療の現場に取り入れて以降は世界的に広がり、企業研修などでも活用されています。

「マインドフルネス瞑想」とは?

過去や未来を飛び回っている心を瞑想によって「今、ここ」に連れ戻し、ネガティブな思考に振り回されないようにするものです。

瞑想法には、五感を駆使して目の前のものに意識を集中させる「サマタ瞑想」と、心に浮かんだものをありのままに見つめる「ヴィパッサナー瞑想」があり、今回は日常に取り入れやすいサマタ瞑想をいくつか紹介します。

深呼吸瞑想

  • ①地面・床に両足をしっかりつけて立ちます。背筋を伸ばし、鼻からゆっくり息を吸い込み、空気の流れと体の状態に意識を向けながら、お腹に空気を送り込むようにふくらませていきます。
  • ②たっぷり空気を吸い込んだら、その空気をすべて出すようなイメージで、お腹をへこませながら鼻から息を吐き出します。息を吐ききったら再度吸い込み、①と②を数回繰り返します。
◎ポイント

ひと呼吸ずつゆっくりと行い、空気が通過する鼻腔の感覚、お腹の皮が空気でふくらみへこんでいく感覚に意識を集中させます。お腹の動きがとらえやすい立位がおすすめですが、椅子に座った状態やあぐらをかいた状態でもOK。両手をお腹にあてて行うと、体の変化が手のひらでも感じられ、集中しやすくなります。

食べる瞑想

テレビを消し、スマホも遠ざけて「食べる」行為に意識を集中します。例えばパンを食べるなら、まずパンの形、色合いをよく観察し、香りを嗅ぎます。ひと口大にちぎって、変化したパンの形を眺めてから、ゆっくり口に含みます。口に入った時の香りを確かめ、咀嚼しながら、変化するパンの味や形状をじっくり舌や口腔内の粘膜で感じとり、最後にゆっくりと飲み込みます。

◎ポイント

視覚、触覚、味覚、嗅覚をフルに使い、ひと口ずつ丁寧に行います。時間がかかるので、最初の5口だけを瞑想に充てる、という形で行うとよいでしょう。

歩く瞑想

室内で行う場合は、足に意識を集中させてゆっくりと歩き続けます。左右どちらの足から踏み出しても構いません。かかとやつま先が地面から離れる感覚、足を前に出すときのひざの伸び方、太ももの筋肉の動き、体重移動によって反対の足が持ち上がる様子などを感じながら、ゆっくりとした動作を繰り返します。

◎ポイント

屋外で行う場合は通常のスピードで歩いてOK。足裏が地面をとらえる感覚や、顔に当たる風の強さ、暖かさなどに意識を集中させてみましょう。

化粧品を使った瞑想

通常のスキンケアも瞑想にすることができます。化粧品のボトルの形状やデザインをよく観察してからふたを開け、手のひらにとり、色や状態を見つめます。香りを嗅いで、ゆっくり肌に広げ、浸透していくさまや肌の色つやの変化、肌の感覚に意識を集中します。各ステップをゆっくりと丁寧に行うことで、瞑想としての効果だけでなく、スキンケア効果も高まります。

CHAPTER 3
継続がポイント!

日常生活への
取り入れ方

マインドフルネス瞑想は「心の筋トレ」とも呼ばれ、継続的に行うことによって、ストレスに負けない健やかな心が育まれます。忙しい日々を送っていても続けられる、日常生活への取り入れ方のコツをご紹介します。

毎日続けることに意味がある

一度の瞑想でも心がすっきりしたり、効果を感じることができるかもしれません。ただそれはあくまで一時的なもの。マインドフルネス瞑想を毎日続けることによって、五感に意識を集めやすくなり、その感覚がつかめてくるほどに、心のゆらぎがなくなっていきます。「1呼吸だけ深呼吸瞑想をする」でもよいので、毎日続けることがポイントです。

取り入れやすい瞑想法をチョイスする

前項でご紹介した瞑想法は、いずれも日常の中で気軽に行えるものばかり。ただ、生活スタイルによって取り入れやすさは異なります。例えば朝食に時間が取れるなら、最初の5口だけ食べる瞑想をやってみる、毎日通勤しているなら、駅までの道のりを歩く瞑想に充ててみる…というように、取り入れやすいものを選ぶと続けやすくなります。

心地よさも重要なポイント

「朝起きた時に深呼吸瞑想をしたらすっきりと目覚められた」「スキンケア時に行うと気持ちよかった」など、自身が心地よく感じられる瞑想をルーティン化するのも継続するコツです。

奥田先生からのメッセージ

栄養が足りず疲れやすい状態にあると、それだけでネガティブな思考に傾きやすくなってしまいます。また、五感に集中するには気力を使うので、十分な睡眠やバランスのとれた食事が必要です。散歩など適度な運動も大切。瞑想の効果を十分に得るには、健康な体があってこそ。まずはそこからチェックしてみてください。

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