大人女子のたしなみ「美文字レッスン」

パソコンやメールが普及した現在、文字を手書きすることはとても少なくなりました。とはいえ、日常どうしても書かなければならない場面で美しい字が書きたい…そんな方も多いのではないでしょうか。キレイな文字は相手にいい印象を与えたり、仕事の上でも信頼性を感じてもらいやすくなるなど、女性のたしなみとしてメリットも多いですよね。「もっと字が上手になりたいけど、教室に通う時間がない。」そんなあなたにピッタリ!ちょっとしたコツを覚えるだけで、誰でもすぐに実践できる「美文字レッスン」を、一般社団法人書道能力開発協会理事長の中山佳子先生に教授していただきました。ぜひ、この機会にトライしてみてくださいね。

Profile
中山佳子先生

一般社団法人書道能力開発協会理事長。株式会社フィールドデザイン代表取締役。書道界の新星・青山浩之氏の革新的な教えに師事、個展開催や講座開講、雑誌・書籍への寄稿多数。研修事業や人材育成を担う起業家としてもキャリアもあり、実用と教養を交えた美文字コミュニケーションには定評がある。
主な著書:「美文字筆ペン基本練習帳」(西東社)、「短時間できれいになる 大人の美文字レッスン帳」(大泉書店)

CHAPTER 1

美文字のための
基本姿勢

文字を書くときの理想的な姿勢は、身体の負担をできるだけ軽減し、全体のバランスを考えながら書ける姿勢です。まず、目と文字に適切な距離をとり、紙面全体を見るようにしましょう。そうすると、文字の大きさや間隔、行間などを意識しながら書くことができるのです。また、手首を机につけて、親指、人さし指、中指の3本の指でペンを持ち、柔軟に手指が動くよう3本の指の曲げ伸ばしでペンをコントロールしましょう。正しい姿勢とペンの持ち方がそろって、からだ全体から安定した美文字がつづられます。
今日から意識してみると、あなたの凛とした書き姿に周りが振り向いてしまうかもしれません…。姿勢と持ち方を見直してさっそく文字を書いてみましょう。

美文字のための
基本姿勢

  • 目線は紙全体を見下ろせる位置に
  • 背筋を伸ばす
  • 肩の力を抜く
  • おなかと机の間に少しすき間をあける
  • 左手も紙に沿えるように机の上に置く
  • 足を組まない
CHAPTER 2

今すぐ実践!
美文字三原則

指にマメができるほどがむしゃらに文字を練習するよりも、短時間で効率よく美文字を身につけたいですよね。実は、いくつかのポイントを押さえることで、グッと美文字に近づけられます。縦書きにも横書きにも使えて、すぐに実践できる美文字のコツ、さぁ始めてみましょう。

文字内の空間を美しく

文字を作る線と線がくっつきすぎるとキレイに見えません。適度な余白をもって読みやすくしましょう。また、部分的に極端な空間を作ると文字のバランスが崩れるので要注意です。

折れる・止めるをしっかりと

「折れ」と「止め」をおろそかにすると、「適当に書きました」という印象にもなりかねません。折れる部分はしっかり角をつけ、止める画はピタッと止めることを心がけると引き締まったキレイな文字に。一画ずつ丁寧に、はっきり書きましょう。

横画はやや右上がりに

横画が右下がりになると幼く、短すぎると雑なイメージに。横画を「やや右上がり」に書くと、「止め」や「折れ」もスムーズに書けて、すっきり美しい文字に仕上がります。

コツを意識して
効率よく美文字に

まずは文字を書くときにこれらのコツを意識すると自然に美文字に近づくことができます。手書きの文字は、自分の印象が相手にダイレクトに伝わる、大事なコミュニケーションツールです。まずは、安定感のある読みやすい字を意識して練習することで、自分らしい美文字が書けるようになりますよ。

CHAPTER 3
活用①

慶弔の
表書きの基本

中央にある水引(飾り紐)より上の段に、「御礼」や「寿」などの表書きを書き、下の段に氏名を書きます。氏名は表書きより小さめに書きましょう。 文字の大きさや余白のバランスを意識して、一画一画丁寧に書くと、相手に気持ちが伝わりやすくなるでしょう。

ワンポイントマナー

弔事の場合は、表書きや氏名は薄墨で書くのが一般的です。筆ペンの先を少し水で濡らして書くのもいいでしょう。地方によって書き方が違う場合があるので、その土地に合わせて対応しましょう。

CHAPTER 4
活用②

人柄が伝わる宛名書き

ハガキ編

宛名をいちばん大きく書きます。文字の大きさは、「宛名(相手の名前)→住所(宛先)→社名→肩書き→差出人」の順に小さくします。季節のお便りは、お世話になった方への感謝の気持ちを伝えるチャンスです。心のこもった手書き文字で、相手の心が温かくなるように仕上げたいですね。

横書き用封筒編

住所は封筒の表面、上から1/3のスペース内に収めましょう。数字は算用数字を使用します。差出人氏名と住所は裏面に書きます。
封筒の表面の書き方(縦書き・横書き)は、封筒の種類にかかわらず、中の手紙に合わせるのがよいでしょう。

中山先生からの
メッセージ

美文字の基本やコツをご紹介しましたが、届ける相手を思いながら、楽しんで書く気持ちを持つことが一番の上達方法だと思います。「キレイな文字を届けたい」と思ったその時から、真の美人への道は始まっているのかもしれません。どうぞ、あなたらしい美文字習慣を続けてみてくださいね。 枠にとらわれず、楽しく自由に美文字を始めましょう。

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